第13話 復活祭がやってくる

最近ではイースター(イエス・キリストが十字架に架けられて死んでから三日目に復活したことを記憶するキリスト教の祭)も日本に定着しつつあるんでしょうか。僕の職場では信者の方から復活祭のクッキーを頂きます。しかし、この復活祭は毎年4月ぐらいだとしか覚えてなかったのですが、調べて見たら移動祝日なんですね。必ず日曜日に祝うそうですが、今年は四月一六日だそうです。昔、なんだったかのアニメ(多分、ハウ◯名作劇場)で復活祭に卵にカラフルな絵を描いてイースターエッグと呼んで子供たちが贈り物にしてたのを見て面白く思ったのが、その名前を聞いた最初だったと思います。少しだけその異文化な風習に憧れたが、神社の氏子で寺の檀家というありふれた我が家ではそんな風習には縁がなかったのでした。

あれから長い月日が流れ、すっかり駄目な大人になった訳ですがイースターを祝って祭気分になろうかと卵料理を考えることになりました。さて酒飲みどものつまみを考えろと今しがた届いた指示書、まぁ、ラインなんですが、には書かれてます。酒盛りの料理番扱いである。コンビニのスルメでも齧ってろや、とかいえないしな。新作を考えよう。

スコッチエッグとかは芸がないな。エッグ、egg、🥚、🍳、幾つか思いつきましたが面白みに欠ける。こんな時は食材を見て考えるのがインスピレーションを起こすのに手っ取り早いので、近所のスーパーに向かおう。さて、と……む、む、これは削り蒲鉾⁉︎ かつお節みたいに薄く削って乾燥してるのか。お、来たよ、降りて来た。後は、アボガドがあるぞ。この辺りが手早いか。早速、購入して、と。

ではでは、冷蔵庫から取り出したるは卵の黄身の醤油漬けである。こいつは醤油とみりんで二日間漬けおいたものです。ご飯のお供に最高の手軽な一品である。まずはアボガドを半分に切って種を取り出します。それからその窪みに黄身の醤油漬けを投入。これだけでも食えるんですが今回は削り蒲鉾で彩りに飾って見ました。この間、凡そ3分間。さて実食……これは、アボガドの青臭さを黄身の醤油漬けの濃厚な味わいがかき消して、アボガドと醤油漬けが引き立て合っているじゃないか。さらに削り蒲鉾が地味ではあるが醤油の味に合っていて蒲鉾の風味も微かに薫ってくるので味が単調にならずに食べきれる。生ハムとかだとショッ辛くなり過ぎるだろうし、ちょうど良い味な気がする。好みでカイエンペッパー、ハーブソルトとか降ってもいいかもしれない。よし黄身の醤油漬けでアボガドのグリーンエッグ風が完成である。後は……ゆで卵に人参でトサカつけて、料理用パンチ(勝手に料理専用にしているただの文房具だが、意外と使える。洗ったりが大変なのでよく選ぶか使わないのが正しいでしょうけど)で海苔をくり抜き鶏の目にすると、チキン野郎が完成。こいつは大皿の唐揚げと野菜盛りの付け合わせにしよう。これにて僕の分担は終わりである。さて、夕飯は残りの黄身の醤油漬けで熱々ご飯をかきこもうかな。卵料理はバリエーションが増えると手軽だし、誰でも食べやすいのがいいですよね。こうして試作品を作っては食べるので消費の為に走ったり歩いたりする日々が続くのである。では、また。

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