学校の勇者

メルケン

一年生

第1話 初登校はある意味遅刻

高校生活って憧れしかありませんよね?高校デビューしたり、新しいコミュニティ築いたり、彼女作ったり、とにかく、エンジョイするしかないだろうという感覚に浸りますよね。でも、入学してからわかるんです。それはみんなそうだから何の特別感もなく当たり前のように日常に溶け込んでしまうことを。



家から自転車で20分、割と近い公立高校に受かり、やっと来た春。待ち望んでいないといえば嘘となる。ちょー楽しみにしてた。昨日とかもう寝れなかったし、興奮して脳もあそこもギンギンに起きてたわ。

「忘れ物はないの?健吾。」

「うん、大丈夫。」

ちなみに、俺の名前は松岡健吾。この春から桜田丘高校に通うピカピカのツルツルの高校一年生だ。

高校となれば、中学の友達とかほぼいない。新しい友達しかいない。昔の俺の黒歴史とか知る人も少ない。まあ、そんなひどい黒歴史とかないけど。本当に無いから、語尾に「だってばよ」とか付けてないから。付けてないからね。

「行って来ます。」

そう言って、家を飛び出しました。


学校に着くやいなや大きな掲示板が立てられており、そこで教室の確認を行った。俺は2組だ。教室に入り、黒板の張り紙を見て自分の席を確認して着席する。廊下側から2列目の真ん中あたりだ。まあまあなポジションで少し嬉しい。ここから始まる、友達作り。最初は近くの男子と自己紹介しあって、これからもよろしくといいかわし、授業中に質問しあい、忘れ物したら貸しあったり、弁当食べたり、本当に夢がある高校生活。あっ、今の回想は決して俺のゲイ自己紹介じゃないから。

「はーい、みんな、席についてねー。ホームルーム始めまーす。」

担任の岡田先生が仕切る。ちなみに、先生は2児の母である。

そして俺の夢はここで消えた。

「何でだ…。」

何でだろうか、女子は少ないはずなのになぁ、神様のイタズラかなぁ、イタズラにしては今後恨む可能性、大、なんだけど。

なんで俺の席だけ前後左右女子に囲まれているんだーーーーーー!!!!

これじゃあ、友達作り困難だよ。女の子の友達とか草食系イケてない男子の俺にはいきなりハードル高いわ。どうかしてますやん。


こうして俺の高校生活はちょっぴり遅れた。

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