エントリー・ザ・スマイル(入学・入部) フォーティン!

部長は大きく息を吸うとこう言った。

「社会では人材こそが至上の財産とされる。特徴があり、それをしっかり自分の強みにしてる人間ほど重宝されるし、何より人生が充実するだろう」

「君達には可能性が詰まっている。その可能性・未来や意志の扉をちょっと捜してノックして、開けてみて、社会に出る前に何か掴んでみたくはないかな?」

「人生の充実にささやかながら手を貸そう。それが我々、ESP部だ」


………………………………………………………………………………………………………………………面白い。

なんかカッコイ。



「本来、」

翌日、授業が始まる。っても初週だからどんなことするかを漠然と説明しておしまい。先生の中にも話すこと終わるとおしまいにしてちょっと長い休み時間ができる。

そんな時間は教室から出るわけにもいかないのでやっぱりシュウの机に集まってだべる。

「同好会程度でみんながイメージするようなちょっと残念な感じで細々やるとこを数年前から顧問の先生が加わり、今のような学力向上に向けた能力開発に方針転換することで同好会から部という正式なものに昇格したんだって」

「変わる時どうだったの?」

「当時の人からの反対は少なくて、むしろ何かしら能力っぽいのがちゃんと身につくならと賛成も多く、訝しむ人はいても反対する人はいなくてすんなり変わったらしい」

「学校側も方針転換から数年経つとその部からテスト順位上位に上がる生徒、特進の生徒と同じく優良大学へ進学していく生徒が出始めて、毎年まとまった数が必ず入会することと能力開発が学力向上につながることで運営方針に沿うことから部の承認も自然だったとか」

「3年前から兼部の制度も導入して、一気に部員も増えて現在93名。っても昨日部長が言ってたように幽霊部員が半分以上、上級生ほどまともに顔を出す人は少なくて、兼部してる方の部に………えー……『目覚めた』人が多いとか。兼部してた方に一辺倒や勉強に励む人も少なくないって」

「ふーん」「へぇ……×2」

「まぁ、そうして違う部にいる人もやる気はその部の中でも人並み以上で、成果も出したり、キャプテンやったりする人もいるって」

「ちなみに、部になることで費用を与えられ、いろいろ調べたり練習に使う器具を購入したりできるようになったけど、会の創設から数えて21年経っても超能力に部類するような人は見つからなかった模様………」見ていた手帳を静かに閉じるシュウ。……パタリ。

「ははは」「www」「アハハハハ」

会がそんなに長くあったのにも驚きだけど、超能力なんてそうそうないよね~。


変な部!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る