エントリー・ザ・スマイル(入学・入部) フォー!

けげんな表情で顔を上げた彼は5秒ぼくのことを見ると、ふいっと顔を逸らし、あとは突っ伏して寝始めてしまった。


…………………………………………わ、面白そう♪


突っ伏してしまったけどぼくは声をかけ続ける。

「ねぇねぇ、今日は部活の仮入部期間一日目でそのオリテもあるから一緒に見て回らない?」

「…………」反応がない。ふむ、ではバイタルチェック。

「返事がない、ただのしかばねのようだ」

「(ピクッ)」

お。やっぱり仮名は正解かな?

「おー勇者せめぽぬめ、死んでしまうとはなさけない」

「……っ!?」

彼はむくりと顔を上げた。

「……知っているのか?」

「(ドラクエは)知っているとも」

適当に名前部分は言ってみたけどメジャーなドラクエネタはやはり鉄板で万能だなぁ。

出し惜しみせず今度は自分の鉄板を投入。

「ぼく山吹、やまちゃんて呼んでくれぃ。君は?」

「いや、それはおはスタ視聴者を激怒させるんじゃない?」

「今までは『〇―△組のやまちゃん』で通してきてるから大丈夫」

「何が大丈夫なのか1ミリも理解できないよ。………藍影」

「下は?ぼく光流、山吹光流」

「ヒカル?そっちの方がキャラ立つでしょうが!」

なんか変なとこで怒ってきた。

「ちなみに字はどう書くの?」

「光が流れるで光流」

「わ…なんか惜しいし、リアルDQN…?」

「名は体を為すとかほんと…」とか全部声洩れてるの聞こえてるよ~?。よくわかんないけど今さげすまれた?

「そっちは?」

「え?あぁ…シュウ、藍色に墜ちる影を愁うと書いて、藍影 愁」

「?、??……アイカゲ シュウね…。……アイちゃんて呼」

「爆発しろ」

わぁ、爆発とは程遠い発火温度の冷たい目。

「卓球とかしないし、ぼく男」

「わかったよシュウ」

「ちょ、おま、馴れ馴れしい……」

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