エントリー・ザ・スマイル(入学・入部) スリー!
で、今のところ目につくのは教室で1番廊下側の先頭の人だな。
名前なんだろ。
ぼくとおんなじ制服を着ているのに雰囲気ってこんなに違うもんだ?
髪はざばらで整える気がないようで、姿勢も前傾寄り。アルマジロ、マルマイン。貧乏ゆすりしてたら完全にあれだね。いや、とりあえずオタク君(仮)としよう。
お~、さっきはものの例えだったけど、ほんとに念力か目からビームでも出しそうな感じだぞ…。
ひたすらじーーっと机を睨んでる。ああいうのって何か楽しいことあるんだろうか……。ぼくも何回かやってみたことあるけど面白くないぞ…?
「ところでヤマは部活どうすんだ?」
かっちゃんがより面白そうな話を振る。
ちなみに「ヤマ」は山吹の『山』から取ったぼくのあだ名。そういえば今日は部活紹介の日だった。今日から来週いっぱいまで仮入部期間に入る。
「ん~、……見てから?」
ここにはかなりの部があるしなぁ…。
「話題になってる内のいくつかでよ。今日行くのくらい決めね?」
「そだね。何あんの何あんの?」
「とりあえず美術部と漫研行ってみようぜ?歓迎の黒板のあれすごかったし、謝る上でもな」
おう…今日は帰宅部に仮入部しよかな…。
「でさ、ここESP部とかもあるらしいぜ?」
「なにそれぇ!いこういこう(☆∇☆)」
使えるの?
使えちゃうの?超能力。
すんごい面白そう!この学校入ってよかったなぁ!
そんじゃあ…
コインをピーンと飛ばす。けど、キャッチしても見る必要はない。嫌われるか、それとも…。
「ねぇ、一緒に回るのに一人誘っていい?」
「ん?いいよ、誰?」
早速とっとこハム太郎。ぼくは教室の隅っこに行き、ぼっちの少年に話し掛けてみた。
気分はルンルン最高潮だ♪
「ねぇねぇ君www、何してんの?wwそれなんか楽しいの?wwww」
後に、彼は『人生2番目に最悪の出逢いだった』と、この時のことを語ったり語らなかったり。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます