第7話 人力車
秋の鎌倉を走る人力車
趣深い街並みの中
登り坂も力強く
古い寺院
鮮やかな紅葉の前で
ふと俥がとまる
若い俥夫の逞しい背中が
くるりと振り返り
紅葉の謂れを語る
重い俥を支えながら
汗のしたたる笑顔で
「また来てください。紅葉もいいけれど、桜も美しいところです」
と
俥を降りるのに手を借りながら
春の鎌倉を見てみたくなった
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