第14話 Who loves me ?
数日後、仕事を終えて秀司の研究室を出たところ、突然背の高い初老の男性が香夏子の正面に立ちはだかった。何度か見かけたことがあるので軽く会釈すると、紳士然としたその男性は満足げに上品な笑顔を見せた。
「キミ、丹羽くんのところの学生さんかい?」
「……違います」
学生に間違われたのを喜ぶべきか怒るべきか一瞬戸惑うが、結局香夏子の顔は苦笑いになった。そして何気なく見た男性のシャツに目が釘付けになる。柄物だということはパッと見で判別できたが、問題はその柄だ。
(……クマ……ちゃん!)
なぜか彼のシャツにはテディベアのプリントが施されている。スーツの中に着るにはずいぶん派手なシャツだ。
香夏子の頭の中ではマッハに近い速さでそのシャツについての討論会が巻き起こった。
(え? ……ていうか、その組み合わせって?)
(いや、待てよ。それ以前に、あのシャツはどこで入手できるんだ?)
(つーか、あの紳士っぽい雰囲気とテディベアがミスマッチすぎるんですが!)
(そして、ジャケットのポケットにはピンクのハンカチ! ……あれもオシャレ仕様と見せかけて実は手を拭くのに使っているかもしれないぞ)
(彼はあれを自分でチョイスして着ているのか? あれがオシャレなのか?)
その間、香夏子の表情は一分たりとも変わらず、ただ瞬きを何度か繰り返しただけだった。
「そう。……キミ、あのコに似てるね。えーと、何だったかな、あのグラビアアイドルの……」
(はぁ!?)
「急いでいますので、失礼します!」
香夏子はまだ何か言おうとしている初老の男性の脇をすり抜けて出口へ急いだ。高山情報では確か彼は高名な学者の一人に挙げられていたはずだ。勿論香夏子は高山の話は半分しか信用していないのだが。
(なんなの、あの人!? あれで偉そうな学説を人に説いたりしてるわけ? 女性のどこを見てるんだっ!)
もしここに蹴飛ばすのに適当な缶など落ちていたら、香夏子はありったけの力を込めてその憤りをぶつけていたに違いない。
今日はあまりツいてない日なのかもしれない。仕事でもつまらないミスをして秀司に怒られたのだった。
(あーなんかもう、よく知っている人間に間違いを指摘されるのって余計に腹が立つ!)
またミスを思い出してムカムカしているところへケータイが鳴った。
「あ、香夏子、もう仕事終わった?」
湊からだった。こんな時間にかけてくるのは珍しい。
「ちょうど終わったところだけど、どうかした?」
「うん。これから時間ある? 香夏子に会わせたい人がいるんだけど」
全く心当たりのない香夏子は首を傾げた。
「……誰? 私の知っている人?」
「いや、会えばわかる」
どうしようか、と迷う。判断しかねてもう一度訊いた。何しろ判断材料が少なすぎる。
「誰なの? オトコ? オンナ? 会えばわかるって言われても……」
「うーん、性別はたぶんオトコ。……まぁ、とにかく会ってよ」
湊の返答にますます首をひねるが、最後は好奇心が勝った。
「わかった。会えばわかるんだよね? じゃあ会うのが楽しみだわ」
むしゃくしゃしていた気分を吹き飛ばすように弾んだ声を出す。電話を切ると指定された待ち合わせ場所へと急いだ。
香夏子が駅に隣接するファミレスに到着すると、すぐに湊が席から立ち上がって手を振った。彼女の向かい側に座る人影に密かに注目するが、見覚えがあるようなないような曖昧な印象で、席にたどり着くまでの間必死に考える。
湊の真横に立ち、その人物を正面から見てようやく彼に思い至った。
「……もしかして『プチ・フルール』の店員さん?」
聖夜に連れて行ってもらった洋食屋が確かそんな名前だったな、と思い出しながら言うと、彼は苦笑で答えた。
香夏子は湊の隣に座った。改めて目の前の男性を観察する。まず、彼のトレードマークともいうべき長い黒髪がずいぶんと短くなっていた。
「髪……切っちゃったの?」
香夏子の指摘に彼は儚げな微笑を浮かべた。男性にしては細面だが、こうして短髪だとやはり男性らしく見える。それに相変わらず全身黒ずくめの服装だが、今日はスカートではなく細身のパンツ姿で、いつもの女装はしていないようだ。
「話せば長い話なんだよね?」
なかなか口を開こうとしない店員に湊が助け舟を出した。彼は小さく頷いて視線を落としたが、ようやく決心がついたのか香夏子に向き直った。
「ごめんなさい! あの日、聖夜さんのマンションにいたのは僕なんです」
香夏子は彼の発言の意味がわからずポカンとした。
「……え?」
「いや、だから、香夏子が聖夜くんのマンションを飛び出した日、玄関で女物の靴を見たんでしょ? それが彼のだったんだって。つまり香夏子の早とちり。勘違い!」
「……は?」
まだ理解できず、香夏子は向かい側で頭を下げている華奢な男性の姿を呆然と見ていた。
「あの、すぐに誤解を解こうと思ったんですが、連絡しようにも香夏子さんのアドレスは変えられてしまったようで……それに聖夜さんにも余計なことをするなと止められてて、だけど僕、やっぱりこのままじゃいけないと思って今更なんですけど、香夏子さんにお詫びしたくて……」
「それで私に連絡をくれたんだって。……ちょっと香夏子、大丈夫? 口が開きっぱなしだけど」
ハッとして香夏子は湊を見る。湊は肩をすくめて見せた。
「突然すぎて何が何だかさっぱりわからないんだけど」
香夏子は正直に言った。おそるおそる顔を上げた店員は今度はひたむきに香夏子を見つめる。その切羽詰った表情に香夏子は一瞬引いた。
そして、彼は静かに言った。
「僕は香夏子さんが好きです」
(…………!?)
目の前の男性を凝視するが、なぜ彼がそんなことを言い出したのかやはり理解できない。湊が隣で頬杖をついた。
「要するに、彼は香夏子が聖夜くんのところにいるっていうのを聞いて、いても立ってもいられなくなって聖夜くん家に突撃したのはいいけど……たまたま日が悪かったんだろうね。香夏子は勝手に誤解をしていなくなるし、聖夜くんは怒って彼の髪を切っちゃうし。いやーホント、キミは散々だったね!」
湊は店員の言葉足らずを補いながら彼を慰めた。
(聖夜が怒って……?)
香夏子は腕を組んで自分の目の前のコーヒーカップを見つめる。
(でもこの店員くんには余計なことをするなって言ったんだよね?)
「それで香夏子は答えないの?」
湊の指摘にまたハッとした香夏子は、そういえば今、目の前の人物が何か重大な告白をしたな、と思い出した。
「えっと……ごめんなさい。私、今はそういうこと考えられなくて」
申し訳なく思いながら店員を見ると、彼は綺麗な顔に微笑を残したまま唇を噛んだ。
「ふられるのはわかってました。なのに、どうしてあんなことしたのか自分でもわからないんです。本当に香夏子さんにはなんとお詫びしたらいいのか……」
しぼんだ花のように首をうな垂れている店員の姿を見て香夏子はようやく状況が飲み込めてきた。
「……わかるよ。あるよね、自分でもわけのわからない力に突き動かされて行動しちゃうこと」
香夏子は自嘲を込めて言った。店員は顔を上げて複雑な表情で香夏子を見る。
「香夏子さんが聖夜さんのことを好きなのは一目見てすぐにわかりました」
「だよねー。誰でも見ればわかる」
隣からいらない相槌が入った。
「でも、その香夏子さんがすっごくかわいくて、聖夜さんがうらやましかったんです。もともと聖夜さんは専門学校の先輩で尊敬する憧れの人ですが、今まで聖夜さんの彼女って見たことなかったんで、勝手に僕の中では僕の世界とは全く関係のないような女性なんだろうと思ってたんです。それが……」
「僕の世界にも存在しそうな香夏子ちゃんだったからびっくりしたんだよね?」
「……はい」
香夏子は何度か瞬きして、それから意見を述べた。
「私は聖夜の彼女じゃないよ?」
「でも聖夜さんは香夏子さんのことが好きですよ」
「うんうん。私もそう思う」
湊まで便乗してきた。香夏子は二人の意見に当惑して首をひねる。
「……その根拠は何?」
店員は言葉を選びながら慎重に語り始めた。
「聖夜さんとは長い付き合いですが、いつも穏やかで男女分け隔てなく親切に接するから、ぶっちゃけ何を考えているのかわからないようにも見えます」
それには香夏子も素直に頷けた。
「でも、聖夜さんは僕の女装趣味を知っても、逆にとても共感してくれたんですよ。普通はみんな変なモノを見るような顔するんですけどね。そのとき聖夜さんも昔、見た目でいろいろ言われて嫌な思いをしたと話してくれました。だけど中学時代、すごく好きな女の子が自分の代わりに『そういうこと言うのやめなよ』って陰口を叩く連中に言ってくれたことがあったそうで、それがすごく悔しくて自分は変わったって、聖夜さんは言ってました」
(……それって)
香夏子は眉根に皺を寄せて向かいに座る店員を凝視する。
「それって、香夏子さんのことじゃないですか?」
何とも言えず視線をそらした。
(そうだ、あのときから……)
聖夜が香夏子をなんとなく避けるようになったのだ。
「香夏子、そんなこと言ったの?」
黙っていた湊が心配そうに顔を覗き込んできた。
「……言った……かも」
香夏子自身はそんなことをすっかり忘れていたが、確かに中学時代、聖夜への目に余る中傷に思わずそう口にしたことがあった。既に当時は幼年期のように一緒に遊ぶようなことはなかったが、それでも普通に宿題やテストの話をしていたように思う。
(私のおせっかいで……)
遠い昔に過ぎ去った青春の日々が苦く思い出される。香夏子としては正義感から言ったのだが、それが聖夜にとって屈辱的な出来事になっていたとは思いも寄らなかった。
「ほーら、やっぱり聖夜くんも香夏子のこと好きだったでしょ!」
「昔のことでしょ。それに、そのせいかずっと避けられてたもん」
香夏子は間髪入れずに返した。中学時代に好きでいてくれたという事実がわかったのは嬉しいが、あくまでも昔の話だ。
「でも聖夜さんは今も香夏子さんのことを好きですよ。あの日だって一睡もせず香夏子さんの帰りをずっと心配して待ってたんです。それに僕のことを怒ってこの髪を切ったんです。僕はしばらく聖夜さんのお店に出入り禁止になっちゃいました」
向かい側から優しい声がした。その言葉に香夏子の胸はズキッと痛む。
(一睡もせず……)
「それならどうして……? メールくらいくれてもいいじゃない」
ここで言っても無駄なことはわかっていたが、言わずにはいられなかった。香夏子には聖夜の気持ちが全然見えないのだ。
「まぁ、そこが聖夜くんのよくわからないところだよねー。……っていうかそもそも香夏子はなんで朝帰りをしたんだ?」
湊の指摘に香夏子はギクッとした。
「それがその……会社の飲み会で飲みすぎて倒れたところにちょうど秀司がいて……」
「なるほどー。秀司のところに連行されてたわけね」
ニヤニヤと含み笑いをする湊に香夏子は慌てて手を左右にふって見せた。
「違う! 何もない!」
湊はクスッと笑って片眉を上げた。
「そっかー。だから聖夜くんから逃げたのか」
「そうじゃない……けど」
「でもまだ話してないでしょ?」
うっと返事に詰まった。
「あの……でも今度同窓会があって、それに聖夜も来るっていう情報が……」
しどろもどろに答えると湊が歓喜の声を上げた。
「絶好のチャンスじゃない! ちゃんと話をして、白か黒か、はっきりさせなさいよ」
「……うん」
「あの、……僕のせいで本当にごめんなさい」
か細い謝罪の声に、香夏子は改めて向かい側で萎れている店員を見やった。
「ううん。あなたが悪いわけじゃないよ。いつかあそこから出なきゃいけないって思ってたし、やっぱり聖夜は『彼氏のフリ』をしてくれてたんだってよくわかったから」
「まだ言うか!」
湊が呆れたように突っ込んできた。
「とにかく香夏子は勝手に自虐的な考えに突っ走らないで、聖夜くんに直接聞けばいいのよ。本当に諦める覚悟があるなら聞けるでしょ?」
(それは……)
湊の言うとおりだと思っても、素直に同意できない。やはり引導を渡されるのは怖いのだ。
「香夏子さん、きっと大丈夫ですよ。僕はあなたの幸せを願っていますね」
店員が泣き出しそうな顔をして香夏子に握手を求めてきた。
「……ありがとう」
こうまでされるとさすがに香夏子もほだされた。
ファミレスから出て二人と別れると、香夏子は頭の中を整理しながらのんびりと歩いた。
そして夜空を仰ぐ。
(そりゃ逃げたのは私かもしれないけど……私は自分の気持ちを伝えてたよね?)
当然のことだが夜空の星々は何も答えてはくれない。それでも香夏子は問い続けた。
(でも聖夜の気持ちがよくわからないの。確かなことが何一つないの。信じられないの)
暗い夜の天空に吸い込まれそうだと思いながら、気持ちよく物思いに浸っていた香夏子は、突然何か重要なことを忘れているような気がして顎に手を当てた。
(……あれ? 聖夜には自分の家に連れてくるような女性が他にもいるんだと思って逃げ出したんだけど、それって実は私の勘違いだったんだ)
先ほどの店員の言葉が脳裏によみがえった。
「あの日だって一睡もせず香夏子さんの帰りをずっと心配して待ってたんです」
(……なのに、私は秀司のところに一晩お世話になっていて、女物の靴を自分勝手に勘違いした挙句、聖夜の家を勝手に出てきて、今は秀司の秘書になっている……)
急に背筋が寒くなった。分が悪いのはどう考えても香夏子のほうだ。
(私は……何をやっているんだ!?)
湊の意地悪い笑顔が思い出された。
(うわー! ホントに私はバカだー!)
香夏子は恥ずかしくなって駆け出した。
(どうしよう……。合わせる顔がないよ)
だが、今更巻き戻してやり直すわけにもいかない。それに、と香夏子は立ち止まる。
(聖夜の気持ちがよくわからないのは本当のことだし)
ただ、聖夜が変わって遠くへ行ってしまったのは香夏子のせいかもしれない。それが妙に心に引っかかった。あの日、聖夜と香夏子の間に引かれたカーテンは今もそのままなのだ。
呼吸を整えながら、香夏子は少しずつ遅くなる心臓の音を聞いた。
考えてみれば今日は生まれて初めて男性から「好き」だと告白された日だ。
秀司は周囲に香夏子のことを好きだと公言していたが、直接好きだと言われた記憶がない。それでも今まで秀司の気持ちを疑ったことなどなかった。むしろ秀司の気持ちが自分に向いているのは当然のことだと思っていた。なんと傲慢な考えだろうか。
たった一言「好き」という言葉が人の想いや関係をこんなに複雑にしているのだとしたら、その言葉の持つ力は圧倒的だ。そしてその言葉の前で人は強くもなれるし弱くもなる。
香夏子はまた歩き出した。
(まだ望みはあるのかな。少しは自惚れてもいいのかな)
その答えをくれる人はこの世にただ一人。聖夜しかいないのだ。
風が夏の匂いを運んでくるようになった。
同窓会当日、香夏子は着ていく服を散々悩み、結局派手すぎず地味すぎない無難な組み合わせに決めた。流行のアイテムを取り入れつつ、素材やデザイン、色で若い世代とは一線を画す。やはりもうそういう年齢か、と鏡の前で自分の顔を眺めてため息をついた。
それでも久しぶりに聖夜に会うということもあって、メイクも必要以上に気合が入った。気合が入りすぎてファンデーションを厚塗りしてしまったので、一度洗い流してやり直す。この歳になると加減が難しい、と香夏子はつくづく思った。
同窓会はホテルのレストランを借り切った会場で、香夏子が到着したときには既にかなりの人数が集まっていた。
受付で工藤理恵に声を掛けられた。
「あれー? 丹羽くんと一緒じゃないんだ」
「うん。私は今日お休みなの」
「そっか。あ! あれ、浜名くんじゃない?」
理恵が指摘する前に香夏子はもう聖夜の姿を見つけていた。髪が短くなり、口髭も剃られている。二ヶ月近く会っていないから髪型が変わるのも当たり前かもしれない。逆に毎月切ってもらっていた香夏子の髪は二ヶ月でかなり伸びていた。
おそらく聖夜も香夏子に気がついているのだろう。不自然なほど視線が合わない。避けられているとわかり、香夏子はがっかりした。
(これじゃ、話なんかできそうにないな……)
そう思ってもう一度聖夜のほうへ目をやると、彼の隣に一際目立つ女性がいた。
(…………!)
「奥野(おくの)さんも来てたんだ」
理恵も聖夜の隣の女性に気がついて言った。
(奥野なつき……またこんなふうに会うなんて)
香夏子は聖夜となつきが言葉を交わすのを視界の端にとらえたまま、強いショックを受けて硬直していた。
「あの二人って確か高校生のとき、付き合ってたよね?」
「そ……だね」
「奥野さんってやっぱり美人だよねー。しかもY社の社員で、見るからに『できるキャリアウーマン』だわ」
(Y社……)
香夏子は理恵の言葉で完全に打ちのめされた。Y社は国内の大手化粧品メーカーで理系の香夏子にとっては憧れの企業だったが、香夏子は書類選考の時点で門前払いされたのだ。劣等感が香夏子の心を押し潰していく。
「浜名くんもすごいよねー。カリスマだもんね。なんだか恐れ多くてあの人たちの会話には入れそうにないや。でもカナちゃんは浜名くんとも幼馴染でしょ? あ、もしかしてこの髪型も浜名くんが?」
理恵は屈託のない笑顔で香夏子の髪を指差す。作り笑いをして軽く頷いた。
「そうなんだ。すごくかわいいよ!」
お世辞に困惑しながら「ありがとう」と言うと、後ろから肩を叩かれた。
「よっ! 香夏子ちゃん、お久しぶり」
振り返ると目元の涼しげな男性が親しげに笑いかけていた。声は聞き覚えがあるのに、顔には心当たりがない。なかなかのイケメンだから尚更困惑した。
「えー! もしかして横井(よこい)くん?」
「そうです。理恵ちゃんもおひさ」
「ずいぶんカッコよくなっちゃって、一瞬誰だかわかんなかったよ!」
理恵はすっかり興奮して大きな声で言った。横井が香夏子の肩に手を置いたまま理恵と話し始めた。
ふと、視線を感じて顔を少しだけそちらへ動かす。
(…………!)
心臓に杭が打ち込まれたような衝撃だった。
聖夜が香夏子をじっと見ている。
凍てつくような冷たい視線からしばらく目をそらすことができなかった。
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