第二話 『保健室?』


ここはとある学校の保健室である。その一室に一人の青年が横たわっている。名前は八百十夜(やおとうや)。彼は先程、トラックに轢かれ、重傷を負った。目を覚ますと綺麗な看護師さんが! 何て展開を妄想していたが、彼は病院ではなく学校にいる。

「どこだここ? なんで無傷?」

八百はとりあえず身体を起こした。


「ご気分はいかがですか?」

突然となりから無機質な、機械のような声が聞こえてきた。ぎょっとして、声がした方に目をやると、黒髪の幼女がこちらを見つめていた。身長は140センチ程で短髪で前髪が綺麗に切り揃えてある。しかし彼女からは幼さが全く感じられず、恐怖すら覚えた。

しばらくの沈黙のあと幼女が口を開いた。

「理事長がお待ちです」

幼女はそのまま身体を翻し歩き始めた。

理事長? 八百は全く状況が読み取れない。

「やれやれ、よく分からんが着いて行ったら

何か分かるような気がするし今は他に選択肢はなさそうだな」

本当は聞きたいことが山ほどあったが、この機械じみた幼女にこれ以上話す気分にはなれなかった。八百は理事長なるものに会うべく幼女のあとを追った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る