知識を増やして強くなろう。

近藤 護

眼醒めの刻

「っつう


頭に鈍い痛みが走り、目が覚めた。

目が覚めても痛みは一向に止まらず、寧ろ余計酷くなっていく。


何れだけの時間が経っただろうか?

痛みが徐々に引き始め、十数分ほどで完全に無くなった。

痛みが引いたので、立ち上がると記憶が変わっていた。

ただ、変わっていると言う事がボンヤリと分かる程度なので、何が変わったのかはあまり分からない。

だが、俺がこの世界では無く日本の生まれだって事は覚えている。

そして、他に記憶にあるのは、


「魔力を眼に通すんだよな。」


レオンハルト=クライブ=フォン=スティグマ 人族/鬼族/?族 男性 16歳(不老) レベル1

特殊スキル 情報庫データベースステージ1 魔眼(認識/解析/学習) 契り


この魔眼の能力と情報庫の存在だけ。

解析しますか。


情報庫 特殊スキル 

ステージ1

自身が認識した情報を記録する。

解析・認識の魔眼持ちの場合、解析・認識の魔眼を通しての情報しか視覚からは記録されない。


記録するだけかよ!

後は、


契り 特殊スキル

一定以上の信頼を互いに持つ者と、何らかの契約を結んだ時に、契り所有者の持つ不老・不死の状態に相手をさせる。


割りと、良スキルかな?

まあ、取り敢えず片っ端から解析していますか。


先ずはの白い木。


ブルチアの木

ダンタスタ帝国内にのみ生息する木。

ダンタスタ帝国の木造家屋の殆どがブルチアの木を主に使い作られている。


へえ、そうなんだ。

てことは、此処はダンタスタ帝国って事になるな。

の草は?


ヒーラ草

ポーションに使われる薬草の一種。

此の草は下級のポーションの素材にのみ使われる。


へえ、このまま進めていこうか。


◆ ◇ ◆


さて、何とかステージ2に進化させれた。

解析結果は此方こちら


ステージ2

記録した物を情報化し、保存する。(記録量への関与は起こりません。)


一見、此れがどうした?と思う奴が居るかもしれない。

しかし!侮るべき事無かれ。

まず、上の分。此れはかなり便利だ。

俺が持つ解析の魔眼を使えば、基本的に情報庫に記録出来る。

それは、物でも者でもだ。

勿論、者を情報化するつもりは無いが、物は

どんどんしていこうと思っている。

情報化と言う事は状態が変化する事が無いと言う事だ。

つまり、腐らない、錆びない、冷めない、と言う事だ。

まあ、全てのモノに魔眼が通じる訳じゃ無いから、最強とは言え無いんだけどな。

取り敢えず、早く森から出たいなぁ。


◆ ◇ ◆


森を歩いて二時間程経った。

まあ、体感だから正しい時間経過では無いと思うけど。

森らしからぬ、階段を見つけた。

何だこれ?


ダンジョン次層に続く階段

ダンジョン【昏き森】第一階層から第二階層へと続く階段。


えっ?ダンジョン内なの?

レベル1にはキツく無い?

ま、まあ、頑張りますか。


《〈ピロンッ!〉メッセージが届きました。確認しますか? YES NO》


えっと、YESで。


《やあ、レオン君。元気かな?

ダンジョンからスタートになってすまない。

何らかの力の影響で転移地点がずれてしまった様なんだ。

御詫びと言っては何だが、以下の物を送っておくよ。

頑張ってくれ。

知識拡張パック×7 鉄製剣×1 鉄製槍×1 鉄製鎌×1 刀×1 鉄製短剣×1 皮鎧×1

by 貴方のお嫁様より

〈ピロンッ!〉知識拡張パック×8により、剣術ステージ1 槍術ステージ1 鎌術ステージ1 刀術ステージ1 短剣術ステージ1 鎧知識入門編 魔物知識入門編 自動回復 を情報庫に記録しました。 情報庫がステージ3に進化しました。》


おっ、ラッキー。

解析、解析。っと。


ステージ3

情報の実装が可能になる。


文は簡潔だけど、意味は分かるな。

つまり、さっき入手したスキルの効果が体に反映されるって事だな。

丁度、ゴブリンが居るし試し斬りしてみるか。

一応、解析しておくか。


ゴブリン ゴブリン族 雄 6歳 レベル3

スキル 棒術ステージ2 危険予知ステージ1


へえ、良スキルだな。

棒術ステージ2 危険予知ステージ1 保存。っと。


「さて、行きますか。【剣術ステージ1】実装!」


まるで最初から知っていたかの様に、剣の振り方が分かった。

ゴブリンの猪突猛進と言う言葉が似合う攻撃を半身だけずらして翻し、逆袈裟でゴブリンを斬った。

だが、流石にレベル差おステージの低さからか、殺しきれずに最後の足掻きに先程より早い棍棒での一撃を放ってきた。

いきなりの事に驚いて翻しきれず、棍棒が腕を強打した。


「ッ!」


痛みからか、型もくそも無いがむしゃらな剣撃でゴブリンを殴打した。

三発位でやっと倒れ、光の粒子になり消えていった。


《〈タラタタタッタッター〉レベルアップしました。》


自動回復の効果で、棍棒で打たれた所の痛みは引き始めていた。

しかし、夢心地だった俺の心を引き締めてくれる、きっかけとなった今の戦いは、俺の中で何度もリフレクションされていた。

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