眞鍋 8

室内には私とリサしか居なくなった。

・・・・学生時代。

放課後の図書室を思い出す。

静かな空間。



リサ・・・・もうあの笑顔を見る事が出来ない。



頭から足にかけて、記憶が・・・・流れ出ていく。

知識も思い出も全て溶けていく。





大きな音を立て、見知らぬ甲冑をまとった複数の兵士が流れ込んできた。



「女王は・・・・・死んでいる?もう1人の女は・・・・」


「おい!お前!名を名乗れ」



名前・・・・・?



「名前・・・・・・?」


名前って何だっけ?



「ふざけるなっ!こいつは・・・・もしかして天才科学者眞鍋・・・・?

眞鍋の写真を用意しろ!早く!」



ふざける?

天才科学者?

眞鍋?


それって何だったっけ?



「眞鍋だ!早く捕獲しろ!念のため、女王の遺体も運んでおくか」



しらないひとたちがわたしのうでをつかんでむりやりたたせた。



「お前の悪行と頭脳はこちらの国でも有名。

トボけたって無駄だからな!」




とぼける?なんだっけ?

わからない。


あくぎょう?



わたしわるいひとなの?



そのちをながしてるこはだれ?

わからない。




わたし・・・・・わたしってだれだっけ?

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