眞鍋 7
「やっぱりキチガイな女だ。
狂っているからあんな法律が作れる・・・・」
・・・・早見がそんな事を思っていたなんて、見抜けなかった。
「・・・・死ぬ事なんて・・・・怖くないわよ・・・」
・・・・久しぶりに、リサが言い返す所を見た。
初めて私と言い合いをした時のまだ小さかったリサ。
まだそのトゲトゲした部分が残っていたんだね。
ずっとニコニコ笑ってる姿しか見てなかったから、リサにトゲがある事すっかり忘れてた。
リサが崩れた瞬間。
早見が銃口を再び構えようとした時、兵士がようやく銃をぶっぱなした。
遅ぇーよ。
やっと自体を飲み込み、
「リサ!・・・なんでかばったの・・・?」
声をかけ、頭を膝の上に乗せる。
「・・・・・・・」
何も答えてくれない。
これだけ撃たれて出血していたらもう・・・・・。
そんなのイヤ!
私の人生。
リサが居たからここまで研究に打ち込めた。
リサという存在の為に頑張ってこれた。
リサがいなくなったら・・・・・。
「救護班を呼んで!急いで!」
周りの兵士に指示を出す。
しかし誰も動かない。
何故動かない?
リサはこの国の女王!顔よ!
この子が死んだら、この国はどうなると思っているの!
「・・・・やっと女王も死んだし、そろそろ逃げ時だな」
えっ?
ボソボソそんな独り言をぼやくと、1人・・・また1人と部屋を出て行った。
その姿を見る限り、救護班を呼びに行った訳ではないと思う。
「役立たずのワガママ女王がようやく死んだ。
自由を手に入れたー」
「このまま風の国に吸収された方がこの国にとっても良いだろう」
「やっと魔女から開放された」
「もっと早くに暗殺されれば良かったのに。
誰もコイツに生きて欲しくなかったって」
リサが行動不能になった途端、拳の平を返して部屋を出て行く奴らを見て、私は初めてその時、本当に人間の本質を見抜けなかったのは自分自身だった事に気づいた。
全員私たちに服従出来る人材だと思っていたのに。
・・・・全てが甘かった。
私の判断ミスで全てを失った。
唯一の自分の理解者を目の前で失った。
もう・・・・生きている価値がない。
初めて自分の考えの甘さに涙した。
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