リサ 4
私が浮かれていると、
「今日は、どうしたんですか?」
涼に尋ねられて、持ってきた物の存在を思い出す。
「招待状をお持ちしました。今日の夕食に、お二人を招待しようと思って」
ミカの事を招待するつもりは無かったのだけれど・・・・・一応ね。
「夕食の招待?アタシ、アンタの事知らないんだけどー」
そう言うと私の事を睨みつける。
愚かな女。
自分の立場をまるで理解できていない。
「あら、私は知っているわ。だって、私は貴方の飼い主だもの」
「え?!」
「飼い主ぃいい?!」
気が合わないと思っていた二人が声を同時に荒げた。
「そうよ、貴女の飼い主。
色々お話がしたいから、一度皆さんで一緒に食事でもいかがかしら?
身体を張り、頑張っている貴方達を、是非おもてなししたいの」
「飼い主って事は・・・・アンタ・・・まさか・・・・」
「ではそろそろ失礼するわ。お邪魔してごめんなさい。
招待状は、真鍋に預けておくわね。では、ごきげんよう」
やったわ!
これでゆっくり涼&おまけとゆっくり食事が出来る。
いつも食事する時は1人で寂しかったから・・・・たまにはこういうのも良いわよね?
軽く会釈をすると、部屋を出た。
本当はもう少し涼とお話していたかったけど、あと二人の所にもいかなくちゃいけないから。
残り二人にも夕食のお誘いの事を話すと、また早々にお城へと戻った。
帰って晩に着るお洋服を選ばなくちゃね。
涼はどういうタイプのドレスが好きかしら?
好きな色は何だろう?
そんな事を考えているだけでも楽しい。
「涼を外の世界に出すなんて反対!
だってこの前入院したばかりじゃない!」
晩餐を開催した日からしばらく経過してから。
涼が怪我をし入院したと連絡が来た。
心配で居てもたってもいられなくて、お見舞いに行ったのだけれど・・・。
「もう怪我は治ってる。元気よ。
リサもお見舞いに行ったんだったら、元気な姿は見たでしょ?
そろそろ外の世界に出て本格的に討伐を開始するわ。
彼らが出ていかないと、次の世代の子達を育てられないの」
「次の世代を育てるのに場所が不足しているのなら、新しく建物を作るわ!
それでいいでしょ?」
「そんな事しなくてもいいわ。
今回のClearSkyプロジェクトでお金を沢山使っちゃったし。
これ以上無駄にお金を使ったら、幹部のおっさん達がまた怒り狂うわよ」
「意見をするなら討伐してしまえばいい!私は女王よ!」
「それはダメ。今幹部を減らす訳にはいかないの。
彼らだってそれぞれ意志を持ってはいるけど、この国を運営していくには有能な人材。
彼らに代わる人達なんていないんだから」
・・・・。
・・・・。
・・・・。
「もしかしてリサ・・・・涼の事気になるの?」
「違うわよ!」
「好きだから傍に置いておきたいんじゃない?」
「違うったら!」
好きとか・・・・そうじゃないけど。
だけど彼は、やっと出来た私にとって2人目の理解者だから・・・・。
だから大切で・・・・別に好きとかそんなんじゃ・・・・・。
「わかったわ!出発させたらいいじゃない!」
プイっと横を向くと、眞鍋はクスクス笑っていた。
なんなのよ!
・・・・・。
「ねぇ・・・・眞鍋、1つ聞いていい?」
「何?」
「涼って・・・・・マリアの事が好きなのかしら」
「さあね。知らない。本人に聞いてみたら?」
「・・・・・・・・・聞けるわけないじゃない!
言ってみただけ!」
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