リサ 2
女王と言っても国の事については全てそれぞれの役職の人間があれこれ処理するからやる事がない。
時間だけを持て余す。
母はその時間を利用し、国民を治癒していたみたいだけど私はそんな事する気がさらさらない。
眞鍋から手渡された資料に目を通す。
4人の先発メンバーね・・・・・。
どうせ暇だし、少し様子でも見に行ってみようかしら。
手配すると彼らが滞在している施設へ向かった。
背後から、やれやれだのまたの女王の気まぐれが始まった等のボヤキが聞こえてきた。
「ねぇ貴方たち。その発言も今日で最後にした方が良いわ。
これからは、それらの発言も処罰対象になるから」
そいつらに対してニッコリ微笑むと、奴らは焦った表情をし
「用事を思い出した」だの言い訳をしながら、尻尾を巻いて逃げていった。
命が関わると理解するとすぐに前言撤回をして逃げていくその姿が、私にはとても滑稽に思えた。
・・・・死にたくないなら言わなきゃいいのに。
無駄にイヤミを言った所で現状は何も変わらないのよ?
なんでそれを理解出来ないの?
この国の人間は眞鍋以外、揃いも揃って出来が悪い。
私と眞鍋のレベルについていける人間なんて1人も居ない。
会話にならないし、理解も出来ないから余計に孤独感に襲われる。
この国で眞鍋が居なければ、私は一人ぼっち。
誰か私の事を理解してくれる人は・・・・・・・・・・・居る訳ないか。
施設へ到着した。
「モンスターを討伐する姿を見学させて貰うわね」
私がここに来た事に驚いた様子だったけど、見学したいと話すとすぐに手配をしてくれた。
一応飾りとはいえ私は女王だから、これくらいの権限があっても良いわよね。
まず1つ目の部屋から。
優秀な方が男性で問題がある方が女性・・・・と。
きっとバンダナを巻いてある子が女性ね。
女性の方は怯む事なくモンスターを討伐していた。
一方男性の方は隅っこで怯えて逃げ惑うばかり。
・・・・・どこが優秀なのよ。
資料は嘘ばっかり。
こういう事はやっぱり自分の目で見て判断するべきね。
次の部屋へ移動。
こっちも優秀と問題の組み合わせで・・・・・。
「あ~、ヤダヤダ。マジ気持ち悪い。やりたくないし・・・!」
文句ばかり言って逃げ回る女性は・・・・・・・・・ミカ。
資料を確認する。
友達をイジメて自殺させておきながら、何も反省していないクズ。
おまけに討伐もまともに出来ない・・・・・生きる価値なしじゃない。
もう一人は・・・・・。
「嫌ならやらなければいい。俺が一人で殺るよ」
「いい眺めだ。抵抗出来ないこいつらを、八つ裂きに出来るなんて」
「死ねよ。人の気持ちなんて考えず、犯罪を犯すバカ共ら」
右手の剣で艶やかにモンスターを討伐するその姿は、昔映画で見た王子様のように見えた。
この子が・・・・・人格に問題がある子?
嘘。
この子が一番正常な子。
私の中で人格者。
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