世界の終わりの図書館:2

ここは、世界の終わりの図書館

普段は1人の少女とネコしかいません

でも、今日は訪れるひとがいるみたい



『ひそひそ、ひそひそ』

図書館に唯一ある机に、2人の男のひとが集まって、話していました

片方は、黒髪の人間

もう片方は、耳のとがった魔族

なんだか、秘密のお話をしているみたい

『それで、おたくはなんだっけ、あっちとこっちを行き来できる手段を持ってる、ということか?』

『ああ、そうだ、時空タイム警察パトロールに見つからずに、だぜ』

と言われて、耳のとがった方の男が、少し考える仕草をします

とん、とん

『ごめんなさい、もう閉館なの』

肩を叩かれて、人間の方の男はびっくりしたような顔をしました

『あ、ああ、もうこんな時間か、ありがとう』



男たちが帰ったあと、少女は不思議そうに

『それにしても、初めて来たひと達なのに、ずいぶん長くいたわねえ』

と言いました

その側では、ネコが男達が帰った方角を見て、うなっています

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