第20話隠し事 6



隠し事をしてた人を信じるの?

それは奥さんが蒸発しちゃったから、仕方がなかった。



何故奥さんは蒸発したのだろう。

それは鬱病だったから。



鬱病の人が全員蒸発するとは限らない。

何か理由があったはず。


父は何故蒸発したの?

それは・・・・それは・・・ヒステリックな母に愛想を尽かしたから。

じゃあ、岡野さんの一人目の奥さんもそれが原因?

岡野さん自身にも原因がある・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?



だから×2なの?

それは違う?

×2になってしまったのは、二人目の奥さんにも何か原因があったから。

その原因はナニ?



×2だけど子持ちだけど、彼以上に今まで私の事を愛してくれた人はいなかった。

所詮私程度の人間は、訳有の人にしか好かれないんだ。




「あの・・・・1つ聞いて良いですか」


「はい」


彼と久しぶりに目があった。



「2人の奥さんとは、今でも連絡を取っていますか?」



しばらく間を置いた後、彼は遠くを眺めながらこう答えた。




「2人とも取っていません。別れてから、そこで縁を切りました」




誰も居ない公園はとても神秘的で気持ちが良い。



「そうですか。・・・・・私は×2子持ちでも気にしません。

今奥さん達と連絡を取っていないのなら、良いじゃないですか。

一緒に頑張りましょう」



私は彼の言葉を信じる事にした。


母より彼を選んだのだ。

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