第17話

 フウコと付き合いだして、しばらく経ってから俺はこの話を聞いた。泣きながら話すフウコを見ると、どれだけ話の内容が壮絶であっても興ざめしてしまって親身になどなれなかった。


 フウコとその男が、その後どのようになって、どのようにして赤ん坊を始末したのかは聞かなかったのでわからないが、恐らくひっそりとどこかの山中にでも埋めてしまったのだろう。


 泣きっぱなしのフウコが自ら俺に話したこと以外は、それ以降一度も語られることはなかった。

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