第二夜

第5話 噛み合わない…

 隣の市に彼女を送る日、僕は不意に『同僚』に連絡した。

「夜ヒマか?」

 時間が不規則な仕事をしている、かつての会社の『同僚』今は、お互い転職をして別々の仕事をしている。

「大丈夫だ…カラオケでもいきたい」

(カラオケなんて…随分行ってない…)

 そこで『通』にも連絡してみた。

『通』はガラケー愛用者…ラインでも連絡は取れない。

 メールを送って…30分…変身は無い…電話を掛けても出ない。


 彼女を迎えに行って、そんな話をした。

「たまにはいいじゃん…最近、大変だったから、楽しんでくればいいじゃん」

「うん…でも連絡つかないんだよね…」


 しばらくすると『通』から返信があった。

 運転中で…間が悪い。

『今日は仕事なんだよ。あっ聞こうと思ったことがある俺なんかに似てないか?CHAGEに久しぶりにCHAGEあすのアルバムでてきてみたらなんかな。又連絡するわ

(本文のまま)


 聞こうと思った事がある?→なぜ疑問符…僕が何か聞きたいのか…。

 俺なんかに似てないか?GHAGEに?→聞いといて答え自分で…答えに疑問符って…。

 CHAGEあす→CHAGEはローマ字で飛鳥はひらがな、なんだな。


 又連絡するわ…だから今夜ヒマなのか!肝心なことはスルーしやがった!


『同僚』にラインした、悪いけど『通』に連絡してみてと。

 しばらくすると、『同僚』から。これから迎えに行ってくると返信が…。

 いや…時間?僕、9時頃になるんだけど…展開早くない?

『通』に連絡した。

「僕、9時頃になるよ…『同僚』迎えにいってるらしいけど」

「おう…なんで知ってる?」

「そもそも。オマエ仕事中なんじゃ…」

「終わってるよ…7時だよ…終わってるよ…それより俺さー、似てね?」

「うん…その話はあとで…とにかく俺、9時頃な」

「解った…あっ俺さ、足くじいたの…痛くてさ、歩けないくらい…それで『同僚』に迎え頼んだんだわ…えっ?あれ?なんで知ってるの?」


 イラッとしたので電話を切った。


 噛み合わなかった…あの2人は難しい…20年以上付き合ってるが…慣れない。


 聞いてた彼女は…「ウケる」を連発していた。

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