第3話 付き合ってほしいんだ

「あのさぁ…ちょっとソコの店寄っていい?」

「僕…もう帰りたい…」

「家電の中古見たいの…ねっ」


 また無駄使いするんだよ…どうでもいいもの買うんだよ…。


 30分…電気毛布をカゴに入れて…さらになんか真剣に見ている。

「要るの?電気毛布?もう温かくなるよ、春になるよ」

「まだ寒いの、必要なの」

「小さくない?猫用?」

「しらないけど…コレ安い」

 1,300円…安いのか?

「どうでもいいけど…早くしてくれないかな…」

「お前は違うモノ見てればいいでしょ!」

「いや~特に欲しいモノ無いんだよね~金以外は欲しくないというか…」


 さらに待つこと15分…途中でジュースを奢ってもらったので、辛抱強く待っていたのだ。

 クリームソーダ…美味しい…。


「桜雪!コレ調べてくれ!」

「スマホ車の中…」

「役に立たないな…ナノリフレってなに?」

「ナノリフレ?アレじゃない…空気清浄器的なヤツ」

「いや…美容器具って書いてある」

「じゃあ…アレじゃない…肌にいいとか」

「そうだよな…髪生えるかな?」

「いや無理だろ~」

「キレイな空気って大事じゃねぇ?」

「無関係とは思わないが…被爆地みたいな頭皮に草木生やすほどの威力は期待できないでしょ…焼野原だよ」

「いや…オヤジ喘息持ちなんだ…」

「じゃあ空気清浄器買えば?」

「いや…こっちがいい…なんか色々身体に良い気がする」

「身体気遣うんならタバコ止めたら…」

「調べろ!」

「面倒くさい…興味ない…」

「もう頼まん!ソレ持ってきてくれ!買う!」

「マジで…6,000円だよ…奥さん、肌とか以前の問題じゃないじゃん…DNAからじゃん…外科手術じゃん…要らないでしょ…」

「奥さんじゃないの!俺のなの!」

「なおさら要らないじゃん…髪は生えませんよ…増毛しかないですよ…夫婦で美容外科行けばいいじゃん」

「そんな金ない!」

「じゃあ、ソレも要らないじゃん…考え直せって…明日には要らない感じになるって」


 結局、買いました…。


「いやぁ~いいもの買った…いい買い物した、気分がいい」

「そうかい…」

「おう!ジュース飲むか?もう1本奢るぞ!」


 僕は調べていたのです…買ったメーカーの口コミ評価…星1個…。

[まったく効果を感じない…これで3万?詐欺すぎる…]


「あ~ソレ定価で3万くらいみたいだね…」

「おう…そうか~6,000円って安くない?未使用だよ」

「そうかもな…」

(口コミの情報は…ジュース買わせてからにしよう…)

「何飲みたい?買ってくるぞ」

「うん…甘いの…甘酒飲みたい」

「OK!」


 甘酒美味しい…。

(いつ教えてやろうかな…ちょっと楽しみだ…)

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