第5話 外に出たいんです(切実

2.3話に多少の矛盾や昨日書き忘れた事があったので修正しました。







 俺は今、盛大に困惑している。

 異世界でこんな奇妙な姿になったという事は、魔物とかモンスターとかそんな部類に入るんだろうなって思ってた。けど扉が開いて奥から入ってきた数人の人間達は俺を見るといきなり土下座し始めたのだ。

 そして俺は訳が分からずあたふたしてるって訳。

 どうしてこうなった……。


 と、兎も角、俺は外に出たい。そう、切実に!だから今1番前で土下座してるちょっと服が豪華で偉そうな白髪の人間に聞いてみる事にした。

 三本の脚をリズム良く動かして前に進む。

 さっき初めて歩いてみた時から普通に歩く事が出来ていた。まるで俺の身体は元からこの八咫鴉だったかの様な気もしてくる。

 動き方が全て感覚的に分かるのだ。


 そしてタシタシと爪で音を立てながら近付いた俺は、長いくちばしの先でチョンチョンっと服を突いてみた。

 偉そうな服の人間は驚いてビクッと飛び跳ねた後、俺が目の前にいる事に気付き、何故か今度は涙を流しながら嬉しそうに土下座し始めた……。


 な、なんなんだこいつ…。俺はただ外に出たいだけなのだが……。


 もう一回チョンチョン突いて顔を上げた偉そうな服の人間(面倒くさいからおっさんでいいや)に分かって貰える様に必死に外に出たいアピールしてみた。

 くちばしを扉に向けて羽ばたいてみたり。ちょっと歩いて扉に近付いてみたり。

 いいよね?出てもいいよね?


 ジーッと見てるとおっさんが喋りだした。

 ……何言ってるか分からん。俺の分かる言葉で喋って欲しい、切実に!


 そう思った瞬間、いきなりおっさんの言ってる事が分かる様になった。これが所謂チートって奴だな!テンプレありがとう御座います!

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