春
やましん(テンパー)
「春」
ほら、あの石垣塀のはしっこから
「春」さんがちょっとだけ覗いているよ
まるで
なにかおびえているように
「どうしたの、「春」さん?
もっとしっかり出て来てください
みんな待ちわびているよ」
「だって、このところ
人が怖いの」
「え、どうして君が人を恐れるの?」
「だって、人間たちが
また昔のような乱暴をしそうな気がするの。
春が永遠に来なければ
人間たちはきっと
深い雪に包まれて
じっと静かにしているでしょう
春は、きっと罪なのでしょう?」
「違うよ、君が来なければ
人の心が、なかなか温かくならないよ
どうか来ておくれ
そうして
優しい風を 吹いておくれ
そうすれば
君も人も
幸せになれるから」
春 やましん(テンパー) @yamashin-2
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます