第70話 DDR2ndMIX LINK Ver.可動開始!

「お待たせいたしました!これよりプレステのデータが保存できるメモリーカード発売開始です!」


特設会場には物凄い人の行列が出来ていた。

それは仕方が無いだろう、実は前回のDDRパフォーマンス大会に参加していた面々が先行して手に入れていたメモリーカード。

それをプレステにセットすればゲームデータの保存が可能になる事が既に知れ渡っていたのである!

ビートDJマニアに関してはハイスコアが保存出来るだけなのだがDDRは違った。

そう、隠し曲が出現した人が居ると話題になっていたのである!


※ワンポイント豆知識

家庭用の初代DDRのみ実は曲が全てオーディオトラックで収録されている。

その為、発売初日にCDラジカセ等で隠し曲が全てバレてしまったのである。

ちなみに1トラック目はゲームデータが入っているのでオーディオで再生すると不具合が生じる場合があるので注意が必要だぞ。


そして、店頭に張り出された隠し要素一覧に観客の喜びの悲鳴が上がる!



隠し曲!

MAKE A JAM!         NORMALモードを10回クリアする

BOYS             EASY以外のモードで600曲クリアする

PARANOiA KCET ~clean mix~  HARDモードを100回クリアする

PARANOiA MAX ~DIRTY MIX~   HARDモードを500回クリアする

I believe in miracles    EASY以外のモードで700曲クリアする


隠し要素!

EASY以外のモードで500曲クリアすると自分で譜面が作成できるEDITモードが出現する



そう、新曲が2曲に2ndMIXの人気曲が3曲も収録されていると発表された。

更にEDITモードの説明に目を疑う人々。

自分で自由に譜面が作成出来ると言うことは・・・




「押さないで!押さないで下さい!皆様全員分は十分にございますので!」


事前告知も行なっていなかったにも関わらず、毎日メモリーカードは販売されないのかと聞きに来る人々が大勢居てこの有様であった。

勿論、必要数を回してあるアリスの道具屋でも大行列で通常営業に問題が発生する程の状況であった。

そして、この時もう一つ事件が起こっていた・・・


「それじゃ行くぜ!全台同時にバージョンアップ!」


ロクドーがいつもの芸戦のDDR前で全身に巡る魔力を解放する!

魔界の住人がパラパラをメインに遊んでいる間流れ込み続けた魔力が同時にポップンのバージョンもアップさせる!

だがその事に気づいた者は極僅かであった。

それも仕方あるまい、ロクドーの目の前で少しだけ形の変わった筐体に誰もが驚いていたのだから・・・

そう、DDR2ndMIX LINK Ver.にパワーアップしたのだ!

画面モニター下に横長の差込口、そう・・・同時にこの時発売が開始されたメモリーカードの差込口であった!

アーケードと家庭用がリンクして同じメモリーカードでスコアが保存される上に・・・

家庭用で作ったEDITデータがアーケードで使用できるのである!


「うぉおおおおお!!!全曲自由に選べるようになってるぜ!!!」


早速ロクドーが下りた筐体に飛び乗ってプレイを開始した男が喜びの声を上げる!

難易度を選ぶ画面でHARDの更に右に『ALL MUSIC』モードが追加されて全曲を自由に選べるようになったのだ。

そして、直ぐにエミが筐体横に張り紙をしていく・・・


「な・・・なんだって?!」


それを見た人々が声を上げるのも仕方あるまい、なんとALL MUSICに限りではあるが、曲選択時に難易度を自由に変えられるようになったのである!

しかも家庭用に隠し曲として収録されている2曲と追加新曲・・・


MAKE A JAM!

PARANOiA KCET ~clean mix~

EL RITMO TROPICAL

LOVE

TUBTHUMPING


の計5曲が新たに追加されていたのだ!

その収録数、偽パラMAXを加えて実に35曲!

画面に大きく1周する形でディスクが並ぶ光景に感動して涙する者まで現れた。


この日を境にDDRが再び大盛況となったのは言うまでもないだろう・・・

あちこちの店舗で小さなイベントが執り行われ様々なパフォーマンスが生み出され披露されていった・・・


そんな中、家庭用からDDRの魅力にハマッた妖鳥シレーヌも、娘3人と共に楽しくDDRをプレイする様になっていた。

それを聞いたロクドーは内心ガッツポーズを決めながら自宅のDDRでサタンと共に特訓に励んでいた。


「遅れないで!タイミングが非常に重要なんです!ここで腕を動かして!」

「むむむ・・・非常に難易度が高いが・・・確かにこれは・・・」

「この調子なら来週にはお披露目できそうですね」

「盛り上がるのは分かるが・・・これで夫婦仲が戻るのか?」

「大丈夫です!音ゲーに不可能は無いです!」

「そ・・・そうなの・・・か?」


半信半疑の魔王サタンではあるがロクドーの指示通りの特訓の甲斐があって何とか見れるようにはなっていっていた。

このパフォーマンスに全てを賭ける!

そう意気込むロクドーは追加された新曲の譜面を完全暗記した魔王サタンの動きに更に磨きが掛かるように指導するのであった・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る