HAPPILY EVER AFTER

佐倉くも

CASE1 You don't need any brains to KILL

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七つの新月を超え辿り着いた八つ目の朝。

王祖ウヴァが大河カザルを下り現れた時、人々は、彼のその地の色をした両眼に、太陽神サハの姿を見たという。


カザルの東は神の国。


それは、このブラワットに生まれた者なら誰もが知っている伝説である。

しかし・・・




「これが・・・これが神の国の姿だというのか」




朽ちかけたビルの合間の細い路地に、肋骨の浮いた犬が群がっていた。

彼らが、無心に貪り食っているモノ。

その正体に気が付いたとき、私は思わずその場で嘔吐した。


「殿下!」


私たちの気配に気付き、こちらを振り返った犬たちが、ニラリと牙を剥く。


「急ぎましょう、殿下」


侍従に肩を抱え起こされ、私は何とか、もはや感覚の無い足を前に出した。

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