第99話謎解き!


「木村太郎。今回の標的だ。」



男は全国にいる頭脳明晰を集めた。



「何で平の刑事を消すんだよ?」



一人の男が聞いた。



「天才が潰れるところを見て見たくてね。」



男は、かつて木村太郎によって逮捕された人間だった。



「天才?そんなの世の中にゴロゴロいるだろう?」



「確かに、しかし木村太郎は覚醒した天才、モンスターだ。」








「警察の仮眠室で寝てるんだろ?簡単じゃないか。」



「頼もしい、じゃあ今から木村太郎の暗殺を頼みます。」



一人の若い男は部屋を出て行った。



「まぁ、どれだけの成果が出るか小手調べですね。」



男は、深くソファーに座った。








1時間ほどして若い男が足を引きずって帰って来た。



「あいつはヤバい…。」



と言って倒れた。



部屋の中にいる人間達がざわざわした。



「返り討ちですね。」





「面白い!愉快ですよ!そうです。憎い木村太郎は強くて頭脳明晰でなければいけないのです!」



倒れた男は死んでいた。



「カオスだ!血も涙もない!皆さん木村太郎を殺せたら1億円払いますよ。さぁ早い者勝ちですよ。」



1億円に会場がざわめいた。



一人、また一人と続いて出て行った。



「シャシャシャ!笑いが止まらない!」


 





「うん、面白いね。」



木村太郎は、仮眠室でDVDを観ていた。



「お前さ、危機感無さすぎ。」



春男があきれた様子で言った。



「面白いじゃん!」



さっきからヤバい輩が太郎を何故か襲っては返り討ちに遭っている。



「でも、誰が主犯なのか分からないんだよね。」



「昔は、お前、鬼のように逮捕してたもんな。恨んでる奴なんて大勢いるぜ。」



「ナルシスト、高学歴、内弁慶。」



太郎は、言葉を並べた。








「そんな奴、いっぱいいるだろ。」



警察署前では機動隊が集結していた。



「確かに。あ、出た。」



太郎は、パソコン内で前科者を探していた。



「ん?こいつ東大出の爆弾魔じゃねーか!」



「たぶん、今回の事に関わってそうなんだよね。」






「これは難しいね。どこに爆弾物を置いたかだよね。」



「ちくしょう!」



春男が椅子を蹴り飛ばした。



「タイムリミットは?」



「後、1時間だ。」



太郎は、コタツの中に入って寝てしまった。



「はい!カット!」



監督が叫んだ。


 

オールアップです!とADが言った。



「あれ?木村さん?」



「そいつ寝てるよ。」



春男は、言った。



今回、刑事ドラマがあって本物のキャストを使いたいと監督からオファーを受けたのである。


太郎はやる気ゼロ。


春男はやる気満々。



監督は、春男ではなく太郎に心酔した。

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