踏み外し落ちる錯覚

 階段を上る時には気にならないのに降りる時には気になってしまう足元。

 不意に自分の足が今どこにあるのかどこに下ろすのが適切なのかわからなくなってぐらつき踏み外しそうになる。

 いっそ目を瞑っていれば感覚だけで降りてしまえるのに。

 一日に何度も、踏み外す錯覚にとらわれて、ざわつく身体が気持ち悪い。

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