Vampire Killers 30

 

   *

 

「――ッ!」 自分の悲鳴で、フィオレンティーナは目を醒ました。隣に座っていたリディアとパオラが、気遣わしげな表情でこちらを見ている――アイリス・エルウッドも驚きを隠せない表情でフィオレンティーナを見つめていた。アルマも母親の膝の上で目を醒まして、目を瞬かせながら不思議そうにこちらを見ている。

「大丈夫、フィオ? すごい汗よ――ひどくうなされてたから何度も起こそうとしてたのに、全然目を覚まさないから心配したわ」

 パオラの言葉に返事を返す余裕も無いまま、フィオレンティーナは荒い息を吐いた――額に大粒の脂汗がにじんでいるのを感じながら自分の左腕を見下ろして、手でぺたぺたと撫で回す。

 どこもおかしなふうにはなっていない――開放骨折もしていないし、あの凄まじい激痛も無い。肋骨もどうにもなっていない――痛みも、あの胴体の内側で折れた肋骨がそこらじゅうに突き刺さっている厭な感触も無かった。ただ喉の奥からこみ上げてきた血の味と臭いと嘔吐感が、まるでそれだけが現実にあったことであるかの様にはっきりと残っている。

「フィオ? 大丈夫?」 気遣わしげなリディアの言葉になんとか笑みを返しながら、フィオレンティーナは自分の体を両腕で抱きしめた。

 全身が汗で濡れていた――湿っていたのではなく、濡れていた。

 ひどく喉が渇いているのは、発汗によって体内の水分が不足しているためだろう。

 身に着けた衣装がべっとりと湿り気を帯びて、今はまるで違うものの様に感じられる――見下ろしてみると、修道衣の生地が汗でひどく湿っているのがわかった。

「大丈夫? フィオレンティーナ」

 心配そうに声をかけてくるアイリスにうなずいて、フィオレンティーナは無理矢理に笑って立ち上がった。

「大丈夫です、ごめんなさい、少しシャワーを使わせてもらってきます」

 言いながら、フィオレンティーナは自分が座っていたソファーに視線を向けた。ソファーの座面が湿り気を帯びて、自分の座っていた跡がはっきり残っている。

 この教会宿舎には、彼女が持ち込んだ数少ない荷物がまだ残っている――老夫婦の店で働くことが決まった時点でアルカードに借金をしていくらかの生活用品は用意したが、こちらに来てからシスター舞と一緒に買いに行った着替えのたぐいも、それ以外の私物もここにある。

「本当に大丈夫? すごい悲鳴だったわよ」

 心配そうなパオラの言葉に無理矢理微笑を返して、フィオレンティーナは談話室から出た。

 板張りの廊下はひんやりとしていて、スリッパと靴下を脱いで素足で歩くと実にいい気分だった。

 自分に与えられていた部屋の扉に近づいたとき、奥の部屋からシスター舞が出てくるのが見えた。

「あら、聖堂騎士フィオレンティーナ。どうかなさったんですか、すごい汗ですよ」 今も顎の輪郭からしたたり落ちる汗を目にして、彼女が驚いた様な表情を見せる。

「大丈夫です、ちょっとシャワーをお借りしますね」

「ええ、どうぞ――本当に大丈夫ですか?」

 気遣わしげなシスター舞に笑みを向け、フィオレンティーナは部屋の扉を開けた。掃除はきちんとされているらしく埃ひとつ無い部屋の中で、彼女の持ち込んだ旅行用鞄が記憶にあるのと変わらない場所に置いてある――違っていることといえば、彼女が出したままにしていった着替えや下着が丁寧に折りたたまれてベッドの上に置かれていることくらいだ。

 先ほど着替える際にベッドの上に置いていった私服を手に取り、洗濯された下着と入浴用のタオルを取り上げて歩き出す――部屋から出て、フィオレンティーナは浴室のほうへと歩いていった。

 浴室は男女用がそれぞれある――フィオレンティーナは女性用の浴室の札を裏返して使用中にすると、脱衣所に入った。

 修道衣はすでに色が変わるほどに濡れている――汗が全然引いてくれない。

 手触りの変わっている衣装を脱ぎ捨てて、脱衣籠に放り込む――修道衣を脱ぎ棄てると乾燥した空気が肌に直接触れて、刺す様な清涼感となっていた。

 気温は変わっていないのに涼しさを感じるほど体温が上がっているという事実に驚きを感じながら、フィオレンティーナは汗で濡れてひどく不快な肌触りに感じるスポーツブラと下着を脱いで、修道衣の上に放り出した。どのみち修道衣を洗濯するいとまはあるまい。ビニール袋にでも入れて持ち帰り、アパートに戻ってから洗濯するしかないだろう。

 べとべとの衣服を脱ぎ棄てたことでちょっと安堵して、フィオレンティーナは半ば走り込む様に浴室に入った。

 シャワーの蛇口をひねる――ガス式湯沸かし器のスイッチを入れるのを忘れていたために、水は冷たい。だがシャワーヘッドから噴出してきた水の冷たさがひどく心地よく感じられて、フィオレンティーナは頭から水をかぶった。

 濡れて垂れ下がった前髪から滴り落ちる水が鼻の頭から胸のふくらみへと落下して、そのまま肌を伝い落ちていく。

 バスタオルしか持ってこなかったので、ボディソープを手に取って掌をすり合わせる様にして泡立ててから全身になすりつける。努めて機械的にその作業をしながら、フィオレンティーナは記憶に残っているその状況を思い返した。

 またあの夢――

 フィオレンティーナがのは、おそらく同調と呼ばれるものだ。

 吸血鬼の血を受けた人間は、吸血鬼化の過程で上位個体の吸血鬼の影響を受ける。上位個体の吸血鬼が被害者を屈従させようとする精神支配が吸血衝動や飢餓感となって顕れるのが主な特徴だが、先日フィオレンティーナが視た様に記憶や意識を共有することもある――とアルカードから言われてはいたが、フィオレンティーナとしても実際にそれを視たのははじめてだったし、本当にそんなことが起こるとは思わなかった。

 今度は、彼――ラルカがヴィーと呼んだあの青年は、ドラキュラと対峙していた。

 フィオレンティーナはドラキュラと直接の面識は無いが、彼は違う――彼の記憶は、眼前の相手が真祖にしてワラキア公国の統治者であったヴラド・ドラキュラ公爵だと教えていた。

 ただ、今度の夢は以前アルカードに救出されたあと、彼の部屋で寝かされていたときに視たものとは内容が違う――おそらく今度の夢は、以前の夢より少しあとだ。否、正確には夢ですらないのだろう――あれはあのヴィーと呼ばれた青年の記憶だ。彼が自身の記憶を思い起こす様に、フィオレンティーナは彼の記憶をそのまま追体験したのだ。

 夢の中で、彼は果敢にもドラキュラに戦いを挑んでいた――だが、敗れたのだろう。最後まで夢を見ることは無かったが、おそらく彼は殺されたのだ。

 だが、あのときドラキュラは彼のことをなんと呼んだ?

 この私に文字どおり身も心も捧げるがよい。それこそが、我が子たるおまえに与えられた天命なのだ。

 そう、確かにドラキュラは彼のことを我が子と呼んだ。

 アルカードは犬のおしっこを拭き取りながらこう言っていた。

 ああ――俺の養父が猟犬を飼ってたが、こんな仔犬の世話は初めてだ。

 そう、彼は養父だと言った。ドラキュラもまた、アルカードに向かってこう言っていた。

 養父を超える剣舞を誇るおまえならば、必ずやわが配下最強の吸血鬼となろう。

 じゃあ、あのヴィーっていう人は養父に育てられたけれど、実はドラキュラの息子だったっていうこと?

 自問をいくら繰り返しても答えは出ない――そのころには体温がかなり下がってきて、水の冷たさが少々つらくなってきていた。

 浴室内に置いてあった洗顔フォームで顔を洗ってから、浴室を出る――水が滴り落ちるに任せながら、フィオレンティーナはしばらくその場に立ち尽くしていた。

 ヴィルトール。ラルカという少女は彼をヴィーと呼び、ドラキュラは彼をヴィルトールと呼んだ。

 ヴィルトール・ドラゴス――それは、エルウッドが空港でアルカードを指して呼んでいた名前だ。そしてエルウッドを含む彼の兄弟弟子たちの出身教室はヴィルトール教室。

 ヴィルトール・ドラゴス――そしてアルカードの姓もドラゴス。

 アルカードが――ヴィルトール。アルカードがドラキュラの息子。

 そういえば店に置いてあった予備の名刺によると、アルカードの名前の綴りはArucard。

 ドラキュラの名前の綴りは、それをそっくり反転したDracuraだ――アルカードは自分の本名があるのにそれを使わずに、わざわざドラキュラの逆綴りの名前を使ってそれを名乗っているのか。

 つまり、彼は――

 

   *

 

 アルカードがフィオレンティーナを最初に連れていったのは、事前に話していたとおり二階にあるブティックだった――向かいにはスポーツ用品店。アルカードをはじめて見つけたときに、彼が出てきた店だ。

 まずは小さなものから片づけていこうという趣旨らしく、家電品や寝具などの大物は後回しにするつもりらしい――冷蔵庫と洗濯機をかかえてブティックめぐりをしたいとは思わないので、フィオレンティーナとしてもそれに異存は無い。

 彼はブティックに入るのが気乗りしないらしく、紙幣がぎっしり入った封筒を取り出してその中身の一万円紙幣を引っ張り出すと、それを数えもせずにフィオレンティーナに押しつけた。吹き抜けをはさんで反対側、スポーツ用品店の隣にある巨大な書店を指差して、

「さて――俺はしばらくそっちにいるから、好きなもの選んでくれ。終わったら呼びに来てくれ」

 そう言って、金髪の吸血鬼はところどころで吹き抜けの対岸同士を連結している通路を渡って書店のほうに歩いて行った。

 それを見送ってから――フィオレンティーナは手にした紙幣を見下ろして、ブティックに足を踏み入れた。

「あれ?」 髪を明るい茶色に染めた見覚えのある女性店員が、フィオレンティーナの姿を目にして声をあげる。

「こないだもいらしてましたよね?」

「はい」

 あまり気乗りしないままうなずくと、

「気に入っていただけたんならうれしいんですけど」 そう言って可愛く笑う若い店員に、フィオレンティーナは曖昧な微笑を向けた。

「気に入ってたんですけど、汚しちゃって――二、三枚買い足そうと思ったんですけど、よかったらまた選んでもらえませんか?」

「ええ、喜んで」 元気良くうなずいて、女性店員はフィオレンティーナを先導して歩き出した。

 

   *

 

 フィオレンティーナが談話室に戻ると、リディアが気遣わしげに眉をひそめながら声をかけてきた。

「フィオ、もういいの?」

「ええ、大丈夫です」

 微笑んでそ

うなずくと、リディアは彼女のために場所を空けてくれた。ソファーの隙間に体を滑り込ませて、腕時計に視線を落とし――思ったよりも時間が経過していることに気づいて、フィオレンティーナはあの機械慣れした吸血鬼がどこにもいないことに気づいた。

「リディア、アルカードはどこに行ったんですか?」

「自転車の修理に必要な部品が足りないからって、買いに行ったわ――でもそろそろ帰ってきててもいい時間なんだけど。どうしたのかしらね?」

 首をかしげる双子に代わって説明してくれたアイリスが、やっぱり最後には首をかしげる。

 あの吸血鬼が駐車場に置いている工具類は、冗談抜きで整備工場でも開業出来そうな量だった――自転車の修理なんか簡単にこなしてしまうだろう。買いに行った先の店が閉まっていたのだろうか。

 そんなことを考えたとき、当のアルカードが談話室に入ってきた。室内飼いが当たり前になっているからだろう、子犬たちが彼の足元にじゃれつきながら室内に入ってくる。

「あー、やっと終わった終わった。アイリス、悪いけどお茶を一杯くれないか」

 その言葉に、アイリスがテーブルの中央で引っくり返されていた空のコップをひとつ取り上げて、硝子製のボトルからお茶を注ぎ込む。ムギチャとかいうらしく、紅茶とはかなり味が違う――彼女は知る由も無いが、そもそもお茶っ葉から淹れているわけではないので当然のことなのだが。

 どうやら教会に戻ってきたあと、そのまま宿舎に入らずに自転車の修理をしていたのだろう――受け取ったコップの中身をひと息に飲み干している吸血鬼を見ながら、そんなことを考える。

 彼はコップを硝子製のテーブルの上に置いてから、

「司祭さんはどこだ? 工具をどこにしまえばいいのかわからないんだが」

 誰に向けられたものかは知らないが――普通のシスターとして教会に勤めたことの無いフィオレンティーナには、司祭の平常業務の内容なんかわからないのでなんとも言えない。

「わかりませんけど、でも教会のほうに行ってみればいらっしゃるかもしれませんよ」

「そうしよう」

 リディアの言葉に適当に手を振って、アルカードが再び玄関のほうへと歩いていく。

 そのとき談話室の扉を抜けて、

「ただいま――!」

 元気のいい歓声とともに、子供たちが飛び込んできた。それに続いて、柳田司祭が入ってくる。

「あ! フィオ姉ちゃんだ!」

「姉ちゃんお帰り!」

 フィオレンティーナの姿を認めた子供たちが歓声をあげて、そのうちの数人がフィオレンティーナの腰に抱きついてきた。

 屋内に犬が入り込んでいることを咎めるでもなく、膝をかがめて子犬たちを手招きしている柳田司祭に、アルカードが声をかける。

「ああ、司祭さん。ちょうどよかった、司祭さんを探してたんだ。自転車の修理が終わったんだが、工具はどこにしまえばいい?」

「ああ、ありがとうございます、吸血鬼殿。お蔭様で助かりました――工具はあとで私が片づけておきますので。工具は足りましたか」

「足りなかったが、俺のジープの車載でなんとかなった」

「それは、それは――ところで舞から聞きましたが、なにか部品を買いに行かれたとのことですが。五千円あれば足りますでしょうか」 財布を取り出しながらの柳田の質問に、

「千二百七十円だった。……経費で落とすんだったら、レシートを出そうか?」

「いえ、結構です」 そう返事をして、柳田が取り出した紙幣二枚をアルカードに手渡す。

「俺、今釣銭が無いんだが」

「結構です、どうぞそのまま」

「そうか? じゃあもらっておく」 そう返事をして、アルカードはジャケットのポケットに紙幣を押し込んだ。

「ちょっとちょっとみんな、お客さんが来てるのよ!? まずは挨拶するのが先でしょ!」 子供たちの中で一番年上の智慧が、パンパンと手を叩きながら声をあげる――賢は相変わらずフィオレンティーナの腰に抱きついたままで、それを見ながらアルカードが穏やかな苦笑を浮かべていた。

「……なんですか」

「否、なんと言うか――慕われているな、お嬢さん」

「兄ちゃんだあれ?」 フィオレンティーナの腰に抱きついたまま――腰に回された掌がお尻に触れているので早く離れてほしかったが、子供を邪険にするわけにもいかない――、賢がアルカードに声をかける。

「俺かい? そうだな、エルウッドおじさんの友達ってところだな」

「勝手に人をおっさんにするな。それで言ったらあんたはどうなんだよ」

 いつの間に入ってきていたのか、エルウッドが抗議の声をあげる。アルカード――空港での会話から察するに五百四十七歳――は適当に肩をすくめて、

「そう言われてもな。俺は永遠の十七歳だからな。エターナルセブンティーンだ」

「……それ外ヅラの話だろ」

 ものすごい脱力感に捕らわれた表情で、エルウッドがそうつぶやく――そちらから視線をはずした吸血鬼は適当に肩をすくめて、

「兄ちゃんはアルカードだ。よろしくな、坊やたち」

「智慧です。よろしくお願いします」 エルウッドと柳田司祭以外で大人の男性を見るのは初めてなのだろう、ちょっと顔を赤らめながら智慧がそう自己紹介をする。

「よろしく、智慧ちゃん」

「お姉さんはどこに行ってたんですか?」

 智慧がこちらに視線を向けてそう聞いてくる――フィオレンティーナは返答に窮して考え込んだ。

 当然の話だが、この少女たちは柳田司祭が裏でどの様なことに関わっているのかをなにも知らないだろう。

 ならば少女たちに、自分の本来の身分を明かすわけにはいかない――かといってほかのいい言い訳が思いつかない。

 首をひねりつつ助け船を求めて吸血鬼のほうに視線を投げると、吸血鬼はこちらに視線すら向けないまま少年たちがプレイステーション2をテレビに接続するのを見守っていた。

 アルカードの視線を追ってそれに気づいた智慧が、大声をあげる。

「こら! あんたたち、お客さんが来てるのにここでゲームなんて――それに先にランドセルくらい片づけてきなさい!」

 えー、とブーイングを発する少年たちを視線で威嚇して、智慧はアルカードに向かって頭を下げた。

「ごめんなさい、お兄さん。うるさくしちゃって」

「否、別にかまわないよ。にぎやかなのは俺も好きだからね――でも君たち、智慧ちゃんの言うとおりランドセルくらい片づけておいで」

 その言葉に、少年たちが素直に接続を中断してランドセルを取って立ち上がる。ずいぶんな素直さだ――魔眼でも使ったのだろうか。

 子供たちが談話室から出て行き、智慧もそれじゃあ、と挨拶して出て行った――質問が有耶無耶になったことにほっとしながら、アルカードを睨みつける。

「なんだよ」

 別に、とフィオレンティーナは視線をそらした――そもそもこの吸血鬼を当てにしようなどと考えるのが間違いなのだ。

 アルカードはそれでこちらに興味を失ったのか、子供たちが準備していたゲームソフトのひとつを取り上げた。縦長のDVD-ROMのケースに挿入されたジャケットには赤いコートを着た若い男と青い服を身に纏った男が剣で斬り合う光景が描かれ、かなり崩れたフォントでゲームのタイトルが印刷されている――Devil May……?

 もっとも、興味を失くしたアルカードが適当に放り出したために、全部読み取る暇も無かったが。

 リディアがかがみこんで、足元からソフトのケースを拾い上げた。

 『たまにはお――の――びにつきあってやろう』――裏面に書かれた文字は、相変わらず平仮名しか読み取れない。

 剣を鞘に納めて――ちょうど抜刀術の体勢を取った青い衣装を身に纏った男に向かって赤いコートを着た男が肉薄している光景を描いたイラストに、白抜きの文字でそう書かれていた。

「いいもの持ってるな、子供たち」 アルカードがそれを見てゆっくりと笑う。

「やったことあるんですか?」

 リディアの質問に、アルカードがあっさりうなずいた。

「あるよ。今でも持ってる」

 その言葉に、フィオレンティーナはソフトのケースがなんなのか思い出した。なにで見覚えがあるのかと思ったら、アルカードがいつもパソコンでプレイしているビデオゲームだ。

 それを思い出して強烈な脱力感に肩が重くなるのを感じながら、フィオレンティーナがこめかみを指で揉んだとき、子供たちが一斉に談話室に駆け込んできた。

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