あきらめて恋
転ぶ
第1話桜
「あー高校生なんて面倒くさ!」
桜井咲は、友達の高橋愛にぼやいた。
「まぁまぁ、咲ちゃんさ、そんな事言わないで高校デビューなんてミラクルあるかもよ。」
「愛は、小さくて可愛いけど考え方がメルヘン過ぎるんだよ。」
二人は、入学式の後に校門前で話していた。
「おい!お前、バスケ経験あるか?」
いきなり咲に180㎝ぐらいある男が声をかけてきた。
「はあ?」
咲は、うるさいという顔をした。
「お前、170㎝ぐらいあるだろ?」
「だから何?」
「まぁまぁ。」
と愛が仲裁に入った。
「チビ、お前はマネージャーだな。明日から部活来いよ。」
と男は言ってその場を去った。
「何?今の?」
咲は、愛に聞いた。
「大きい人だったね。」
「ただの、木偶の坊じゃない。ムカつく。」
「咲は、身長の事になると機嫌悪くなるよね。」
咲きは、小さな頃から身長が高かった。
告白してくる相手は女の子ばかりだった。
わたしは、レズじゃないっての。
好きな男の子は、自分より身長が低い相手ばかりで切ない想いだった。
「バスケ部か~ないな~。」
咲は、帰り道でぼやいた。
「バレー部は?」
愛は、桜の木を見て聞いた。
「もう、勘弁。」
「咲、スポーツ推薦何で断ったの?」
「嫌だから。普通の高校生になって恋愛するんだ。」
中学時代、咲は、バレー三昧だった。
強豪校から来てくれと言われたけれどアイドルが普通の女の子に戻ります的な心境だったので断った。
「そっか。咲にそんな悩みがあるとはね。」
愛は、自転車を引きながら言った。
途中で愛とは別れて自宅に咲は戻った。
「あ、姉ちゃんお帰り。」
玄関で引きこもりの弟、光が明るく言ってきた。
引きこもりには見えないほど元気な美少年である。
「入学式は、どうだった?」
「普通。」
「そっか。姉ちゃんは、部活はどうするの?」
「帰宅部になって彼氏が部活終わるまで待ってる感じが希望かな。」
「長い年月がかかりそうだね。」
光は、キラキラした瞳をして言った。
「ところで、今日は誰が来てるの?」
「ん?楓ちゃんだけど。」
光の部屋に引きこもりなのに日替わりで違う女の子が来る。
「あんた、学校行きなさいよ。」
「嫌だよ。僕は引きこもりだよ。」
咲は、呆れた顔をしてシャワーを浴びに行った。
胸は、Cカップ、クビレ、ヒップ全て揃っている。
世の中の男は、何でわたしを放置なのよ!
咲は、自分の身長を縮めたいと思っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます