猫城

第1話

久しぶりに泣いた。

いつからか、家族の前では泣かなくなった。次に人の前で泣かなくなった。そして一人でいても泣かなくなった。

私は長男だから、だけど、中途半端なクズだから、せめて泣かないようにと頑張ってきた。

本当の私は泣き虫で、意気地無し。

それが迷惑だと事故の時に言われた。

私は泣かなくなった。

だけど、私は久しぶりに泣いた。

彼女の幸せそうな寝言で泣いた。

泣かないようにと頑張っても自然と涙が溢れてきた。

私は彼女と付き合ってから泣くようになった。それは彼女や親友関連で

悪いことなのかは知らない。

親はなんで泣いてるのか分からないと理解をしないだろう。

家族は私にいう。家族といるのが幸せに決まっているだろうと。

だけど、私は思う。私は彼女と、親友たちと過ごす時が幸せなのだ。

幸せだから、私は泣いたのだろう。

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猫城 @kojyobooks

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