◆2ー8
8.夢オチ(こより)
こより「メソグレリ トアモヒワ テ カミヌシマヤニ!」
こよりが呪文を唱え杖をひと振りすると、その幼げな体が白く輝き出した。
辺りに生じた色あざやかな光のすじがいくつも入り乱れ、彼女をどんどん包みこむ。
すると、着ていたセーラー服がひとりでに脱げてゆき、何も着けていない状態となった。
身体は強い輝きのために細かくは見てとれないが、そのりんかくは明らかに大人のそれへと変化している。
背と髪は伸び、胸はふくらみ、お尻もつんと上を向く。
やがて急すぎる成長がおさまると、今度は七色の光のすじが身にまとうべき衣装のそれぞれの部位へと変わってゆく。
ふわりとしたスカートと肩を出したトランペットスリーブのウィッチドレス、ロングヘアーは魔力を帯びてピンク色に染まり、すらりとした両足にはとうめいの翼がついたブーツ。
よそおいを一新して強かった光が弱まってゆくと、そこには大人の色香をやどした魔美女戦士こよりの姿があった。
こより「キラリンッ∵+:”」
いや、ないない。
真夜中、ベッドで目覚めたこよりは、体を起こしてまぶたの重いまましばらく視線をさまよわせた。
こより「……二段オチ……じゃないのだ」
いや、もう3回目ですし……ι
さすがに読者さまもあきてるんじゃないかなー……と。
こより「……二段で、オトせ!(ギロリ+)」
|||分かりましたっ!!
【アサダネー オキテネー アサダネー】
ふてくされた顔のひよこのキャラをした目覚まし時計のアラームで、こよりはようやく目が覚めたことを悟った。
こより「……二段オチ……ふふふ♪」
起きて早々、彼女は満足して笑みをうかべる。
かたわらの出窓からは、カーテンの端から小鳥たちのさえずりとともに、きらきらとした朝の陽が射しこんでいるのだった。
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