ラム酒はとても甘い
みずのことは
1.始まりは、
始まりは、数年前のこと、知り合いからもらったキューバのラム酒を飲みながら、ギターを弾いていた時、
「Daddy、、、ダレ、コノヒト?」と娘は、何所から持ってきたのか、私の十代のころの作曲ノートに貼り付けてある写真を見ながら、
「Who is she?」と私を好奇心と疑いの眼で問い詰めてきた。
「彼女は昔の友達。何時か、その時がきたら話してあげるよ。」と答えたが、
娘は甘えた声で、
「ナンデ? オシエテ! モシカシテ、モトカノ?」とせがむ。
「そうかな、でもそう簡単じゃないんだ。」
娘はまた、
「ナゼ?」と続けて聞く。
ラム酒を口の中でころがしながら、誤魔化そうとする私に、
「ナンデ?」とまた、ひつこく聞いてくる。
「まだ君は小さすぎて理解できないと思うよ。もうちょっと君が大きくなったら、その時がきたらね、ちゃんと話してあげるよ、約束する。」
「ヤクソク?」
「I promise, 約束するよ。いつかね、OK?」
「OK、、、」と娘は、半信半疑のように答えて、部屋から出ていった。
だが、その様に答えたものの、何を何から話していいのか、その時の私にはわからなかったし、今も確かじゃない。
簡単な言葉で語らなければ、気持ちはちゃんと届かないと思う。 でも、私には、そんな言語力がないから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます