<甲 幕間 ――――――>

 わたしもあの戦場に居たひとりでした。

 一度は、大戦果をあげて、物凄くうれしい気持ちでいっぱいになりました。

 でも今考えると、悲しいだけです。

 ずっとこの仕事を続けてると、いろいろな国の人と出会いますから、あの頃フランス人に散々恨まれたのもよく覚えてますよ。

 つらかったなぁ。

「あ、お久しぶりです!」

 少し若い、といっても十分すぎるくらい大人な男性が走ってきました。

「おっ、神君じゃないか」

「よぉ!」

「お久しぶりです。いやぁ、いまだに『君』付けですか。総参謀長捕まえて」

 言葉では文句を言ってますが、顔は笑ってます。

 しかし、総参謀長かぁ。

 あの修羅場をくぐって、とても強くなりました。

 始めはすごく臆病だったけど。

 ホント、すごい修羅場だったんですよ。

 ここにいるみんなが、生き残ったのが奇跡みたいなものなんです。


 だって、戦いはあれからもっともっと、激しくなったんだから……

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