第23話 全国チャンプ・葛城タクト
目がさめる。アナログ式の時計を見ると時刻は6時30分だ。最近日付感覚がおかしくなりつつある気がする。長い間病棟での生活を過ごしてきたからであろうか…。
朝食まで時間があるのでホールへ向かい、そこで新聞を読むことにした。
番組欄をチェックしてみると今日の10時に前回の全国チャンピオンとチャレンジャーのエキシビジョンマッチがあるようだ。気分が高まる。チャンピオンのバトルがテレビを通して見られるとは夢にも思わなかったからだ。
朝食の時間、ご飯と野菜炒めを食べ。牛乳を飲む。ヒロトとカケルはこのエキシビジョンマッチのことを知ってるだろうか?念のため聞いてみる。
「なぁヒロトにカケル、今日葛城タクトとチャレンジャーの試合が放映されるの知ってるか」
「それまじかよ。俺は全然聞いてないぜ」
「わーお、それは本当かいソウタちゃん。なら今日はそれを見るので決まりだねぇ〜」
どうやら2人とも知らないかったようで、気分が舞い上がっている。
まあ、それも仕方ない。葛城タクトのバトルなんてそう拝めるものではないからだ。
昼10時になる。BSでテレビを繋く。どうやらちょうど葛城タクトとチャレンジャーの試合の中継が流れていた。
葛城タクトさん、今日のエキシビジョンマッチでの意気込みを一言お願いします。
意気込みですか。僕は絶対に勝ってみせますよ。僕の圧倒的な力でね!
随分と態度がでかいチャンピオンだ。やはり全国レベルのバトルクリエイターとなると、言うことも全国レベルだなぁ…
「お、ようやくバトル開始ってところだな」
カードバトル・ザ・クリエイト!
僕のターンですねドロー。
僕はレベル1の運命の使徒アビスです。効果発動、デッキから3枚めくり
それを好きな順番に戻します。さらに僕は運命の宝玉を出しターンエンドです。
「チャンピオンはまず山札を調整ってところだね。今後の展開が楽しみだなぁ〜」
「チャレンジャーのターンだぜ。さて、どんな戦術で挑むんやら」
俺のターンドロー!
俺はレベル1のオニオン戦士を召喚だ。こいつの効果は攻撃時サイドデッキから1枚
Tゾーンに送る効果だぜ。
「ほうほう、お前ら二人とはちょっと違うがチャレンジャーもTゾーンデッキのようだな」
こくりと二人ともうなづく。
オニオン戦士で運命の使徒アビスに攻撃だ!攻撃時に効果で攻撃回数+1のカードを送るぜ。
攻撃は通しましょう。これで僕は1ダメージですね。
これはなんと!まずはチャレンジャーがチャンピオンに1ダメージを与えましたー!
次のターンチャンピオンはどんな戦術を繰り広げてくるでしょうか!?
実況ボイスの声が響き渡る。チャンピオンに先制できたとはいえ、まだ1ダメージだ。序盤は大きく戦況は動かないだろう。そう思っていた。
僕のターンですね。ドロー。
ふふふ、チャレンジャーさん、この僕と戦えたことを光栄に思えばいいでしょう。
このターンで一気に戦局を変えてみせましょう。
僕はレベル1を出し、そしてエナジーカードを使いレベル2、そしてレベル3の
運命の女神マギナを召喚です。効果発動!
運命の女神マギナはデッキの1番上をめくりそれがレベル1の場合は僕は手札を4枚戻す。レベル2の場合はデッキから2枚ドロー、そしてレベル3の場合は相手が手札を4枚デッキに戻すのです。
なんだって!?そんなの使徒アビスの効果で山札を調整してるからお前は何が出るか分かってるじゃないか!
そう、これが僕の世界の創造!運命に身を委ねるのです。
当然めくったカードはレベル3です。よってあなたは手札を4枚デッキに戻すのです。
くそっ残り手札がたったの2枚か…これじゃあ話にならないぜ。
チャレンジャーはあっけなく負けた。これはチャレンジャーが弱かったという次元じゃなくて、チャンピオンの葛城タクトは山札を操作し、めくったカードを操るデッキだった。
「あははは、はぁ…。ここまで実力差があると笑えないよねぇ…僕じゃあ一生手が届かない世界かもしれないね…」
運命デッキといったところか。あいつのデッキはあんなのアリかよって感じだ。
「なぁ、俺様から提案があるんだがいいか?」
「どったのカケルちゃん?」
「俺たちで特訓やらないか!」
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