第16話
「大丈夫か?」俺は渡に水の入ったペットボトルを差し出した。
「すみません、俺緊張しちゃって…あんまりちゃんと出来なくて…。」上目遣いで潤んだ瞳を此方に向けて渡がいう。
ドキっ。
その物言い、所作が何とも言えず可愛かった。俺は自分の心臓の音が渡に聞こえてやしないかと、ドギマギしながら、それを打ち払うかの様に「気にすんな」と渡の頭にてを伸ばし、髪の毛をくしゃくしゃっとした。
どうやら、嫌悪感からの緊張では無かったみたいだな。心の中でほっと吐息をつく。
もう、のめり込み始めている自分を自覚していた。今度の恋だけは失敗したくない。
俺は寝息を立てて眠る渡の寝顔を見ながらそう思った。
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