軍艦土佐日記――遣欧艦隊奮戦記より

ぷよ夫

前文 (土佐略図1938)

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 二十一世紀、横須賀・・・

 明治を代表する戦艦「三笠」の隣に、昭和を代表する戦艦「土佐」が記念艦として人々を迎えるようになり、結構な年月となった。

 このほど、痛んだ部分の復元と調査、ついでに清掃のため艦の隅々まで人が入った。

 ある清掃係が、歴代艦長が愛用していた木の椅子がいやに重たいのに気づき、その中を調べてみた。すると、キリの箱に入れられた、十数巻にわたる、航海日誌とはまた別の記録が出て来た。しっかり箱に収めていたとはいえ、くぐり抜けた激戦と、長い年月のためかなり痛んでおり、一部は激しい物だった。

 が、その資料は調査が進められ、当時をしる上での貴重な資料である事が分かった。

 そこには、歴代艦長の手により、その時代ごとの出来事を、彼らの目線で記されていたのである。

 調査員たちは、これをいつしか「軍艦土佐日記」と呼ぶようになった。


 なお、ここに紹介していく記録は、当時の文章を現代風に書き直したものであることをご了承いただきたい


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上の図面は、「軍艦土佐日記」に同封された略図ののうち、昭和十二年の改装直後の姿を記したもの。このころの「土佐」がもっとも力強く、美しかったといわれている。

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