第2話〜どうやら鬱になったらしい?〜
「はぁ……」
今日何度目になるか解らない溜息を吐いて机に頬杖を付く。
──いつまで経ってもまともに魔法の一つも繰り出す事が出来ない、出来損ないの俺。
「‘’魔王”って言ったって所詮親父の後継ってだけだしな……」
はぁ……っとまた溜息を吐く。
「何で俺だったんだろう……」
誰にも言えなかった、その言葉。言ってしまえば自分の存在価値が無くなる気がして。
──だって……
「こんな最弱魔王、要らないじゃん……」
──魔法の一つまともに繰り出せない最弱魔王。果たしてそれは必要に値するのだろうか?
はぁ……と知らず知らずのうちに溜息を吐いて机に突っ伏す。もう頬杖を付く気力さえ残っていなかった。この後また家事して世話して……
──何で俺なんだろう……何で四天王の誰かとかじゃないんだろう……?
やるべき事に手が付かずその事だけただただ考える。考えても考えても答えなんて出ないのに。
──答えが、欲しい。
幾ら手を伸ばしても答えには辿り着けなくて……もう疲れた。考えたくないのに考えてしまう。
──お願い誰か……俺に答えを下さい。
声にならないSOSを上げて無意識に真っ青に染まった呑気な
「御免な、親父……」
──始まってすぐに病んだ最弱魔王の運命やいかに!?
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