第2話 ル・シェル・ブルー

青空という意味のフランス語であって、決してラルクアンシエルとは関係ない。

昔、Hydeに似ているという理由で通年ファーの付いた革ジャンを着ていた同級生のトシユキくん元気かしら?


昔は青いバラ、ブルーローズというのは「不可能」という意味で言われるくらい、青バラへの品種改良は困難だったのである。


で、それを成功させたのがなんと清涼飲料水メーカーのサントリーの研究所。


薔薇の海、という名前で商標登録されたブルーローズはさらに品種改良を重ね、今じゃ何十種類もあってネット通販でも買える。


ノヴァーリスを枯らした翌月、5月だったろうか性懲りもなくル・シェル・ブルーの苗を買ってしまったんだな。


いつか、おうちをブルーローズで満たしたい…という娘時代の欲求が爆発したのである。


色は、紫陽花の紫色より濃い目のバラの苗が来た。


今度こそは枯らさんぞ!と意気込んでベランダで育てて毎朝水を遣り、肥料は控えめ。


しかし、6月の梅雨の時期になると、そいつはやってきた。


お花の大敵、ハダニである。


あの大昔のCMソングで有名な


「これは、葉を枯らすぅうハダニ♪」がバラの葉っぱの裏に潜り込んで蚕の繭みたいな細い糸を引きまくってたちどころに(たぶん一週間以内)でノヴァーリスの葉を全部落としてしまったのだ!


ふっ、これはもう殺虫剤の出番か?と早速私は2種類のバラ用殺虫剤を購入した。


第一射、カダンセーフ!でみるみるダニさんたちが落ちて行く。


ふはは、バラさんの敵め。といい気になっていたのもつかの間、一週間でまたハダニが復活するではないか!おのれ…


ネットで調べてみたら「ハダニは薬剤耐性を持ちますので3種類の殺虫剤をかわるがわる噴霧して下さい」


げえっ!3種類も1000円以上する薬を買い集められるか!


私は化学薬品アレルギーなんだぞ!とさらに「無農薬 殺虫」で検索したら、


ニームオイルというなんだか薔薇にも体に優しげな液体にヒットしたのである。






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