第9話
世の中、どうなるか本当にわからないものだ。
こない。あれが。
思いきって薬局に行ってみる。
で、トイレにこもる。
数秒後、トイレを出る。
そっか、そうなんだ、とすんなり受け入れている自分がいる。
白い切れ間にくっきりと小さく入った縦の線。
これは、陽性反応だ。
つまり、あれだ。
世間で言えば妊娠の可能性を示唆するものなんだな。
うん。
親になるかもしれない。
ぐうたらで世間にはむかってろくなことしない私が、親になる。
因みに障害者という肩書きまであるのに、親になるのかもしれない。
もしお腹の中にあるものが順調に成長したら、その子は障害者の子供になるのだ。
責任がありすぎる。
しかし、そういった重圧よりも、この先どうなるかというワクワクした気持ちの方が勝るのはこれまでの彼の包容力のおかげだ。
どうなるだろう。
一週間後、二週間後、一ヶ月、もっと先の未来はどんなふうだろう。
今は楽しい未来予想に浸ることだ。
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