第1考 歴史は繋がっている。

 吾がある切っ掛けで復活出来たのはこれも運命だと思って受け入れ、吾の力の一端を示す代価として吾が生きた時代や興味のある歴史について知ることを望んだ。

様々な書籍、ねっとと呼ばれるものに記された日本の歴史、真偽の判らぬ物も含め誠に面白く興味が尽きない。結果、あれこれと調べるうち、あれもこれも繋がっているのではないか?との推測を得た。


先ずどこから書こうか?

色々思うところがあるのだけど…。

吾、清河八郎生きた時代のことから話そうか?

そうそう吾のことから話そうかね?


吾は幕末の動乱期に生まれた。

日本は黒船の来航で揺れに揺れ、桜田門外の変にて幕府の大老が暗殺されると云う暴挙に吾は悟ったのだ。既に徳川幕府には日本の行く末を担う力はないのだと。

今の幕府は何れ畳まねばならない所まで来ていることを肌で感じた。

そして、母を連れてのお伊勢参りで日本各地を巡り、日本のこれからに思い至ったのである。

武力と云う力とは別の大きな力の存在、日本で根付き育まれ揺らぐことのない柱。

日本は天皇を中心とした国へと変わらなければいけないと云うことを。


だが、まさかあそこで暗殺されるとは思わなんだ。

奇策を用い天皇の兵を作り上げるのが不評だったのは解るが、なぜ殺されねばならないのか?浪士組の資金は幕府の物。幕府より金子を貰い天皇の兵となる。これのどこが悪い?天皇をどこの勢力からも切り離し緩やかに幕府を畳み天皇に実権を戻す。

これこそが吾の描いた絵だったと云うのに。

周りのお偉いさんも吾の心の内を推し量り解る者はいなかったなー。

ほれ見て見ろ!吾を暗殺などせねば薩摩長州などに天皇の神輿を担がせず、あの様な倒幕もなく徳川藩とでも残せただろうに。

まあ、そうなれば神輿を担ぐ中心に吾は居ただろうがな。


二番煎じではあるが伊藤甲子太郎の御陵衛士も惜しかったのー。

上手く立ち回れば中心に居れたモノを。

頭の固い近藤等が相手では無理じゃったな。


しかし、生涯を何度思い返して見ても忌々しいのは佐々木只三郎よな。

よい気持ちで飲んだ帰り。礼には礼を持って応えたであろう?

なのに酔いの廻った男一人斬り倒すに奇策の不意打ちに数人掛かりで追い討ちとはな。頭は兎も角、酔いどれの剣の腕前を買被るにも程がある。

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