第19話 第一競技 宝探し

【それでは試合を開始します!戦闘準備!!】


その声と同時に戦闘態勢に入った3勢力、合計9名。


【宝探し.......戦闘開始!!!】


まず始めに動いたのは兵装学園 3名同時に後退した次の瞬間、3人の姿が同時に消えた、それはまるで霧の中に消えていくかのような感じだった


「ふむ...なかなか早く動くのう、いや...ここは奴等、兵装学園の近辺にあるMAPじゃったの」


「翔太君、考えるのは結構ですが私たちも動きましょうよ、いつまでもここでゆっくりしてるのは性に合わないのよね」


曉翔太(あかつきしょうた)の発言に対してリリア・フォーネットが声をかける


「まぁまぁこういう時こそ冷静に行きましょう?透明になっている敵が3名、どんな異能を使うかもわからない敵が3名いるのです、落ち着いてゆっくりゆっくり行きましょう、時間はありますよ」


駄々をこねるリリアを落ち着かせるかのようにアルア・フェブリティアは言う


「アルアの言う通りじゃよリリア、ゆっくり行こうではないか」


「むぅ~...!」


リリアがしかめっ面になりそっぽを向く


「...余裕だね、魔法学園代表者諸君」


その3人の会話を聞いていた人知研究機関の3名の内の一人、【ヴィッシュヴァルト・ルーア】が3人に向けて声をかけてきた


「この状況で敵においそれと声をかけるお主も相当なものよな?」


曉翔太はヴィッシュヴァルトに向け挑発気味に返す


「余裕ではありませんよ、ただ一つもう一つ言いたいのです」


「ほぅ?」


「私達は宝探しを初めから始めるつもりは一切ありません」


「【初めから】【始める】つもりはない...とな」


「はい、言いたい事は察していただいているかと思いますが」


両者の勢力の間に異様な雰囲気が流れる


「なるほど、初めから探すのは他の勢力の介入受ける事があり面倒なので、探す手間を、敵を倒す手間に置き換えたわけですか...ふむ...困りましたねー、僕たちは宝探しを楽しむためにこの競技に参加したのですが、それではまるで、探しものではなく、戦闘をしに来たようではありませんか」


「おっしゃる通りです、アルア殿...初めから敵勢力を無力化できたのであれば、あとはゆっくり探せばよいだけですから」


「ふっ.........ふはははははは!!!!!」


その言葉を聞いてリリアは大笑いする


「聞いたか翔太!アルア!私達を倒すそうだ!!宝を探すのでは無く敵を探し、宝を入手する手間を敵を始末する手間に置き換える...!!!ははっ!!最高だ!!そういうのいいねぇ~!」


まるで別人のようにテンションを上げて喜ぶリリア


「私は宝探しより、あんたらご所望の戦闘の方が好みだ...!」


テンションの上がったリリアをよそに 翔太とアルアは溜息を出す


「始まったのぉ...」

「始まりましたね...」


「喜んでいただけて光栄です....それでは....早速ご退場願いましょうかッ!!」


その声と同時にヴィッシュヴァルトの後ろにいた2名が攻撃をしかけてくる


2名はヴィッシュヴァルトの左右を同時に駆け出し一人は上に飛び、また一人はそのまま直進で曉翔太を狙う


「呪詛...精神剥離」


「...!?」


そして上に飛んだもう一人が追撃を行う

その追撃を行った人物の体は全身が炎に包まれていた、そしてその全身を包んでいた炎が片方の拳に集中し大きな炎の玉となり、翔太を攻撃する


「ぐぉぉぉぉ!!!」


翔太はその攻撃をもろに受けてしまい全身が炎に覆われる


「安心しろ...死ぬ前には消えるようにしてある」


人知研究機関代表者の一人、【ハインセルティス・ミーア】が悶える曉翔太に向かって言う、そして残ったリリアとアリアのいる方を向いて


「次は貴様らだ」


という言葉を残し 呪詛を扱う人物【神宮早希(じんぐうさき)】が先ほどと同じ攻撃パターンで次はアルアを狙う


「呪詛...精神剥離」


「!?」


アルアは先ほどの翔太と同じように動けなくなる


そしてそこにハインセルティスの爆炎の玉が飛んでくる


アルアはまるで体の制御が効かぬままその爆炎を浴びてしまう


「うぉぁああああああ!!!」


すさまじい炎がアルアにダメージを与える、魔力というなの防壁があってもこの火力を無傷でいるのは難しい


「ふん...魔法学園も大した事ないようだな」


ハインセルティスは残ったリリアの方を向き


「お前で最後だ」


という言葉を投げかける


そして神宮が呪詛を使用しようとしたその瞬間


「フッ...」


リリアはニヤッと微笑し


「最後...? 私が...?  冗談はよしてくれ... まだ始まってすらいねーだろ?」


その言葉が終わると同時にまるで窓が割れる瞬間のような、ヒビが入り大きな音がなったその時のような、そんな感覚に人知研究機関の3名は襲われていた


「まぁ~...そうですよね」


唯一ヴィッシュヴァルトだけが先ほどまでの展開に違和感を感じていたらしい


「もう少し楽しませてやってもよかったんじゃぞ~?リリア」


「うるせぇショタジジィ」


「リリア...その口調を直しなさい...いつもの落ち着いたリリアの方が可愛いよ?」


「うるせぇロリコン野郎!」


呆気にくれる人知研究機関の3名の前で そんな会話を繰り広げる魔法学園の3名


そこにいるのは先ほど、神宮早希の呪詛で動きを封じられ、ハインセルティスの爆炎に焼かれていた翔太とアルア...のはずだが、そんな攻撃された様子はなく、むしろ無傷でぴんぴんしている


「バカな!?貴様等はさっき私が爆炎で焼いたはず!なぜ!」


「なんじゃ?気づかんのか?まだまだ未熟よのぉ~?」


翔太はハインセルティスに向け挑発気味に言い返す


「【世界虚数(イマジナリィ)】...まさかこれほどとは...」


その会話に横から入ったのはヴィッシュヴァルト


「ほぉ~お主はなかなか見る目があるようじゃ」


「どういう事だヴィッシュ!」


ハインセルティスはヴィッシュヴァルトに向けて質問を投げる


「あの少年、曉翔太の持つ固有魔法、【世界虚数】実際に目にするのは初めてですが、彼のあの固有魔法は複数ある世界の未来の選択肢を選びそれを相手に体験させるという魔法です」


「なんだ!?どういう事だ!?」


「少しは自分で考えたらどうじゃ?お嬢さん?」


「ぐっ...!」


疑問が増えるばかりのハインセルティスはヴィッシュヴァルトに問いかけるが、それを見た翔太はあきれて自身の口から話す事にした


「わしの魔法は簡単に言えば、相手(ハインセルティス)に、わし(翔太)の最悪の未来を体験させるという魔法じゃよ....そして先ほどのわしの最悪の未来とは、そこの神宮早希の呪詛にかかり、そしてお主(ハインセルティス)に爆炎を直撃させられるという未来じゃった、だからわしはその最悪の未来をお主たちに体験させてやった、わし達が次々やられていく未来をな、そしてその未来はお主達が体験したことによって、未来の選択肢から消えたわけじゃ、つまりわしが早々にやられるという未来はもう残っとらんという事じゃな?」


「そんなとんでもない魔法があるのか.......」


ハインセルティスは戦意を喪失している

神宮はもともと話さない人物だっただけに、特になにかを言うわけではないが、この実力差を実感しているようだ


「なるほど...自身に降りかかる悪い未来を相手に強制的に体験させ、そして体験させた悪い未来は2度起こる事はない、悪い未来を相手におしつけ、自身は安全な未来のみを選ぶ、万象の力というわけですか」


「まぁそんな感じじゃないかのぉ~?それにしてもお主はまだしも、ほかの2名が代表とは...人知研究機関は人で不足なのかの~?」


ヴィッシュヴァルトに向けて翔太は見下すように言う


「我々の上には上がいます、私達は個の力を上げるために、アル・ティストラル様より出場を命じられただけですよ」


「ほぉ、通りで戦闘をメインでしたがるわけか...せっかくの大会が...惜しいのぉ」


「翔太...これ以上の話は無用だよ、さっさと終わらせて次に行こう」


アルアは翔太に提案を持ち掛け、翔太はそれを承認する


「悪いね、君たちは狙う順番を間違えたんだ」


バヂヂュン


術式入りの魔術銃にアルアの激しい魔力を注入し、魔術銃が埋め込まれた術式によりその魔力をレーザー状に変換し、銃口からそのレーザーが放たれる、そしてその放たれたレーザーは人知研究機関の3名のメダルを粉砕し3名は脱落となる





「恐ろしい力ですね、世界虚数というのは」


観戦で視ていたルゼはアイデントに向けて言う


「そうですね、ですがつけ入る隙はありますよ」


「でしょうね」


そんな会話をしていた




「どうしますか隊長、人知研究機関が3名脱落したそうですが」


「ほぉ、もう1勢力が脱落ですか、そんな急いだ戦いをする必要はないと思ったが」


「恐らく魔法学園の者達は透明になっているとはいえ、すぐに此方に気づくでしょう」


「だろうな、だが俺たちがやる事は変わらん、宝玉を見つけ出し、それを防御するだけだ」


「了解」

「了解」









「さてどうする翔太?」


「リリア、お主の固有魔法を使ってもらおうかの」


「それはいいけど、何するのよ?」


「お主の【血夜の悪夢(ブラッディナイトメア)】を使ってこのMAP全てを固有空間に変えてもらう」


「そこから?」


「まぁやってみとくれ」


「なによ!教えてくれたっていいのに!」


「リリア、相手が宝玉を見つけてたら早く取り返さないといけないんだからね...?」


「わーかってるっつーの!!!」


【我血族達よ...この暗き闇夜に集え、盛大に謳(うた)おう、生者の絶望を】

【盛大に祝おう、この一夜の悪夢を...今宵はきっと血の空と死者の地を見れよう】

【血夜の悪夢(ブラッディナイトメア)】


リリアが詠唱を終えると、リリアを中心としてどす黒いオーラが辺りに広がっていく、とても速い速度でそれは広がっていく、暗闇に飲み込まれた場所は地面は無数の死体、空には真っ赤に染まった血、正面は1m~2m先はまるで見えないようになっている


「それでどうすんの? 私は見えるけどあんたら見えないでしょ」


「それは問題ないよリリア」


リリアの疑問にアルアが答える


「【聖銃シューベル】よ、僕の声に応えておくれ、【術式展開】」


アルアが聖銃シューベルの術式を展開せよと命じると、聖銃シューベルを包むように無数の術式が展開される、そしてその術式の中の一つにアルアが触れると、広がっていた無数の術式が聖銃シューベルの中に納まる


「【聖弾生成を開始】」


アルアの右手に無数の術式が展開され、その中の7~8の術式が手のひらに集まっていく、そしてアルアが手を開くと一発の弾丸が握られていた、そしてその弾丸を聖銃シューベルに装填する


「【聖弾装填完了...聖銃シューベルリミッター解除】」


聖銃シューベルの銃口に小さな術式が現れる


「それじゃぁ始めるよ」


「うむ、たのむ」


アルアは翔太に銃口を向け、銃弾を発射する


そして自分にも銃弾を発射する


「おいおい!大丈夫か!?」


「そんなにあわてるでないリリア、これはアルアの固有魔法で作られた聖魔弾の一つ、【拒絶】じゃよ、意味はまぁ説明せんでもわかるじゃろ」


「大体はわかるけど...」


「ようするに、一つだけ拒絶したい事を選ぶ、その弾丸を受けた者は、拒絶したい事として選ばれた事を全て拒絶する、単純なもんじゃ」


「つまり私の血夜の悪夢を拒絶して、今はバリバリ見えてるってこと?」


「そういうことじゃ」


「なにそれめちゃくちゃ強いじゃない」


リリアはアルアの方を向きジーっと見つめる


「でもこの聖弾を聖銃に装填してる時は聖銃は攻撃力を持たないからね、魔銃のみで攻撃という事になる、それに拒絶できるのは一つだからね、応用力の高い能力とか、最近入ったルゼさんのような数多くの魔法を使える者に対しては有効とは言えないし、魔法を拒絶っていうような大規模な拒絶まではできないからね」


「というかアルア、あんたさっき一発しか聖弾作ってなかったのになんで2発撃てるのよ」


「さっき聖銃に埋め込んだ術式だよ、装填したオリジナルの銃弾を瞬時にコピーし新たに生成しただけだよ、つまりオリジナルはまだこの中に入ってる」


「なるほどね、銃に込めれるのは一つの能力を持つ弾丸、そしてその弾丸は一度装填されれば弾丸を抜かない限り打ち続けれる、だけどその弾丸を装填中は他の能力を持つ弾丸を使えないと」


「そういう事、えらいねリリア」


「ばかにしてんじゃねーー!!」


「ぐぇぇ!」


リリアの頭をなでなでしたアルアにおもいきり腹パンを決めるリリア


「さてと、ではお宝(兵装学園代表者)探しと行くかのぅ!」


翔太は以前ルゼが使った魔法と同じ魔法を使用する

自身を中心として薄い魔力の膜を広げていき索敵を行う







「隊長、これは...」


「恐らく魔法学園のリリア・フォーネットという者の魔法だろう、奴は深淵の魔女という二つ名を持っているらしいからな、こんな闇の魔法を使ってきても不思議じゃない」


血夜の悪夢に晒されている

兵装学園代表者リーダー 【天雲・ジェイド】

代表者の1人【紫電・ミリーヴェッツ】

代表者の1人【絶碧(ぜつへき)・カーヴェリッヒ】


「紫電、絶碧、ナイトビジョンの調子は?」


「だめですね、ただの暗闇って感じじゃないみたいです」


「了解した、では 2ndStage【Laplace(ラプラス)】の使用を許可する】


「了解!」

「了解」


「「「Laplaceとのリンクを確率、異常無し....リンク完了....Laplace起動!!!」」」


次の瞬間 天雲、紫電、絶碧の3名の周りに数式のような羅列が無数に展開され、ヴィジョンのようなものが、空中に展開される


「クロスリンクを開始せよ!」


「了解!」

「了解」


「「「Laplaceとのクロスリンクを確率、異常無し....リンク完了...クロスリンク!!!」


すると同時に先ほどまで展開していた数式のようなものが全て3名の体内に吸収されていく


「武装準備!」


「了解!」

「了解」


「起動せよ【天雲】」

「起動しろ【紫電】」

「起動.......【絶碧】」


それと同時に3名の武器が形成される

空気を纏ったような剣の天雲

紫色の雷をバチバチ鳴らしている紫電

巨大な盾のようなものを両手に持つ絶碧


「それでは各位、迎撃準備」


「了解!」

「了解」






「ん~?」


「どうしたの翔太」


「奴等...わしの索敵に気づいとるな」


「ほぉ...」


「迎撃するつもりらしいぞ?」


「ならやるしかないですね」


「じゃな」


翔太、リリア、アルアは兵装学園3名の待つ場所へと移動する








「来たな...」


「まさかこれほど早く人知研究機関を倒してしまうとは、恐れ入ります」


「なーに相手が本命のメンバーじゃなかっただけの事よ」


「ご謙遜を...」


天雲と翔太が笑いあいながら殺気を飛ばしている


そしてほんの0.1秒ほどたった次の瞬間


ギィィィン゛


すさまじい音が響いた


天雲の一刀を翔太が魔法壁で防いでいた


「ほぅ...見えておるのか」


そして一瞬そちらにリリアとアルアの目が向いた一瞬をついて、紫電が仕掛けてくる


ビジュュュン゛ 紫色の雷がまるで一本の流星のように直線で飛んできた


だが、アルアの【魔銃エンティ】のレーザーにより、それは相殺されていた


リリアがすぐに体制を立て直し魔法を仕掛ける


【来たれ、闇夜の獣よ、【ダークナイトフェンリスアルヴ】】


リリアは闇夜の獣を召喚し 紫電を攻撃させる

闇夜の獣はすさまじい速度で紫電に突撃するが


「無駄...ですよ」


紫電の前に出てきた絶碧の持つ盾のようなもので闇夜の獣は吹き飛ばされる


「へぇ~結構やるみたいね」


「じゃの」


リリアと翔太は声を掛け合う


「翔太、世界虚数でさっさと終わりにしてよ」


リリアは翔太に急かす...が


「したいのはやまやまじゃが、それは無理じゃの」


「なんで...!?」


「わしの身に起こる最悪の未来が無いんじゃよ」


「ぇ!?」


「奴等はわしの魔法を知っておるようじゃ、初めの一刀以降、一度も攻撃をわしに仕掛けてこん、自身に対して何かが起こる時にその中の悪の未来を相手に体験させるんじゃが、どうやらこの戦い、相手は3vs3ではなく3vs2として見ておるようじゃな、わしには攻撃しないようじゃ」


「なら通常魔法でいっきにやっちゃってよ」


「リリア、お主ならわかるじゃろ、固有魔法を使用中の者は他の一般魔術はつかえぬ、お主の獣は血夜の悪夢が生み出すべき獣だからこそ血夜の悪夢という固有魔法の中でも使用できた、現に闇系統以外の魔法はお主も使えんじゃろ、つまり、ここはアルア...お主の見せどころというわけじゃの」


翔太はアルアに向かって、言葉を発する


「えらく面倒ですね」


「まぁがんばっとくれ」


「翔太は笑顔でアルアを見る」


「リリア、少し作戦の相談だ、耳かして」


アルアはリリアを手招きする

リリアはその手招きに従いアルアの近くに移動し、耳をアルアに近づける


「リリア...ごにょごにょ....」


「わかった....疲れるからあんまり好きじゃないけど...」


リリアはアルアの作戦に乗ったようだ



「作戦会議は....終わりましたかッ!!!」


天雲の攻撃がアルアを狙う、そしてその攻撃から逃れるアルアをさらに牽制する紫電、リリアの攻撃から完全に味方を守護する絶碧


ここでリリアが動く


【生まれ出(い)でた【全てのモノ】には終わりがある】

【生ある者の行き着く先が死であるように】

【生まれ出でた物にも終わりはある】

【全てに等しく終わりを分け与えよう】

【死を記憶せよ、死を乞え】

【必ず死ぬことを忘れるな】

【Memento・Mori(メメント・モリ)】


その詠唱と共に天雲、紫電、絶碧、3名の装備が消滅する


「「「...!?!?!?....」」」


そして新たな装備を展開される前にアルアが続けて高速詠唱を開始する


【かつて神に創られし2人は楽園にいた】

【愚かなる神にそそのかされしその1人は】

【禁断の果実に手を出した】

【禁断に触れし1人は】

【もう一人にもその禁断を触れさせた】

【それが禁断と知っていながら、手を出した】

【そして2人は禁忌を犯した者として楽園より追放された】

【そしてここに1人...】

【禁断に触れ、禁忌を成す者が1人】

【私もきっと追放されるだろう】

【しかしその行為に悔いは無し】

【私の願いを叶えるために、私の願いを棄て去ろう】


【忌銃(きじゅう)エデン】


長文詠唱を高速詠唱したアルアの持っていた2丁の銃は長銃、ライフルと呼ばれる銃になっていた。






「あれは...神器......アリスの神葬といい....この学園の者達は...」


ルゼは観戦席から試合を見ながらアルアの持つ神器を見ていた



アルアの銃口から持ちてにかけて、とてつもなく複雑でとてつもなく精密な術式が無限ともいえる数現れる

そしてアルアはその術式を用いて威力などを調整し

無限ともいえる術式は20枚ほどを残して銃の中に戻っていく

そして残った20枚は銃を包むように円を描く


【エデン起動】

【神罰Ω禁忌断絶】



銃口から放たれたそれはとてつもない威力だった、まるで銀河が一つ丸々敵に向かって飛んでいくかのような大出力





(あれが直撃すればただではすまない...)


ルゼは心の中でそう考えていた




だがルゼは視た、その銀河の中に、人がいた


その中には翔太がいた


(絶の弾丸を神罰に切り替えて翔太に撃っていたのでしょうか...

忌銃エデンにしても拒絶の弾丸の効果は続くようですね)


敵も直前になってそれに気づいた

だが気づいたところでソレ(銀河)に触れる事などできるはずもない


そのまま神罰Ω禁忌断絶はある場所へと直撃する

そして、直撃した地点から半径10mを塵に変えた、幅広い爆発というよりは、上に登っていくような爆発だった。


そしてその中心には青い宝玉を持つ翔太がいた


そして 


ピィーーーーーーーーーーーーーー

ピィーーーーーーーーーーーーー


【試合終了です! 時間です! 試合終了です! 時間です!】


アナウンスの声が聞こえた


(なるほど、時間をしっかり計算していたのですね

彼らを攻撃して再起不能にしても宝玉を入手してないと勝利にはなりませんからね、宝玉の確保を最優先にしつつ、相手には本気の当たりあいに見せたのですね)



【試合結果!魔法学園の勝利になります!】


ウォォォォォーー

フォーーーーーー


周りの観客が一斉に歓声を上げる







競技に出ていたメンバーがそれぞれのセーフアークに戻る




「お疲れさまでした、リリアさん、翔太さん、アルアさん」


3人が帰ってきたのと同時にアイデントが声をかける


「疲れたよ~早速休むよ~」


「わしも休ませてもらうぞ」


「それでは僕も便乗して」


3人はアイデントを軽くいなすように休憩しに後ろに入っていった




「さて、次は貴方の番ですよ、ルゼさん」


「えぇ、その前にひとついいですか?」


「どうされました?」


「アルアさんの使用した忌銃エデン...あれは神器ですよね」


「らしいですね」


「この学園はアリスといいアルアさんといい、神格の武具や魔法を扱う者が多いのですね」


「誇らしい事ですね」


そんな会話をしていると


【それでは次の競技に参ります! 次の競技の参加者は準備をお願いします!】


「時間ですよ」


「わかっていますよ」


ルゼとアイデントの間になんともいえない雰囲気が流れるが

ルゼはとりあえず競技へと向かう


___________________________________________________________________________


次回は 3vs3vs3の合計9名によるデスマッチ 宝探しと違い、相手を確実に戦闘不能にするまで続く この試合 フレイ アリス ルゼの活躍に期待!


【今回新規登場】


【人知研究機関】

【ヴィッシュヴァルト・ルーア】

実際には力を表していないため現時点不明


【ハインセルティス・ミーア】

自身の体から爆炎を出す、魔法とは異なる技術


【神宮早希(じんぐうさき】

呪詛を使い相手の行動を妨害する術を持つ


【兵装学園代表者3名】

【天雲・ジェイド】

風をまとったような剣を使う


【紫電・ミリーヴェッツ】

紫色の電撃を利用する武器を使う


【絶碧(ぜつへき)・カーヴェリッヒ】

かなりの防御力を誇る盾を両手で扱う


武器の名称が名前に組み込まれる


【血夜の悪夢(ブラッディナイトメア)】

リリアの固有魔法、相手の視界や嗅覚や聴覚などを一時的に制限する


【聖銃シューベル】輝かしき天の銃

【魔銃エンティ】禍々しき悪の銃

【魔弾生成】魔銃に装填する弾丸を生成する

【聖弾生成】聖弾に装填する弾丸を生成する

【忌銃エデン】聖銃と魔銃を合わせた存在してはならない銃


【Laplace(ラプラス)】

兵装学園の者が持つ武器を最大限に生かすコード


【Laplaceクロスリンク】

最大限にしたステータスを調整し、自身に扱いやすい性能へとさらに特化させる


【Memento・Mori(メメント・モリ)】

神格の大魔導 魔法や魔術の極地である魔導、その中でも神格、つまり最上位の闇魔法、この世の全てのモノを等しく消滅させる魔法

使用者の魔力を莫大に使うため生半可な者が使えば効果を表す事なく術者は死ぬ

リリアでさえ 相手の装備を破壊するのが精一杯

消滅させる対象次第では、魔力消費が少なくなる


【神罰Ω禁忌断絶】

神器を介して行われる神の裁き

こちらもメメント・モリと同じく莫大な魔力を使うが、こちらは発射するときに設定する術式の数で魔力消費が決まるため最小におさめれば数発撃つこともできる

それでいて威力は絶大

かつて術式100枚使用しこの魔法を使った者がいた

その威力は世界を半分に別つほどとも言われる

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