夏の終わり

滑らかな曲線のある籐椅子や、欠けつつも格子に並ぶタイルの連続。人工的な継ぎ接ぎは嫌悪感を乗せて自分に運んでくる。日差しのやわらいだ夕方の空気に、どこかを通る車の音、作られた透明な鉢の中で吊られて浮いているような気持ちの悪い怖さ。帰る場所がない人にも同じ空の下にいるだなんて言えるのは。空が浮き雲の泳ぐ透明な空の水槽だって知らないからだ

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