散文アプローチをする

・無味無臭の山が扁平に広がっていた、その質感はあまりにも平たくて、熱に溶けたような流動的な形をしていたし、一塵もの現実性も感じられない、鮮やかなアオサギは現実性の薄い餌場に目を向けず、都会に出て撃たれたりする。


・電車から流れる景色も痙攣的だった、魚が併走して飛んで行ったと思いきやなめろうになって電車は追いついてしまう。除細動のような形容が乗客に行われ、陳腐さに飽きた魚死体はついに居なくなった


・水銀の瓶からは蟻がやってくる、こぼした途端水銀の滑らかな雫の粒は蟻の群れに変わってしまう、有機と無機を知らない彼らの爛れたような行進をアリクイは気にも止めず食べ続けてしまうのだ

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