1章 1話 朝の光景
ピピピッピピピッ
朝7時。
耳障りな目覚まし時計の音で目が覚める。
自分で止めに行かないと鳴り止まない目覚まし時計は、ずっと鳴り続ける。
鳴り始めて数十秒、といったところだろうか。俺はやっと枕元にある目覚まし時計を止めた。
ピピピッと不快な音を鳴らしていた時計は静かになり、再び静寂な空間になる。
静かになった空間は俺の眠気を再び呼び戻す。
そして眠りの世界へーーー
バンッ!
「そろそろ起きなさい!朝ごはん冷めちゃうでしょ!!!」
‥‥ドアを勢いよく開けて、大声で起こす母親の声が耳を劈く。
ったく朝からうるさい母親だ。
重い瞼を開けてようやく起き上がる。
寝起きの、脳がまだ目覚めてない状態で、洗面所に向かう。
ボサボサの黒髪短髪。眠そうな顔。目の下のクマ。
そんな完璧に寝起きです、みたいな顔が鏡に映る。
顔を洗い、髪をそれなりに整え、歯を磨く。
目の下のクマはどうしようもないのでそのままで。
一通り準備が終わったら朝食へ。
白米に味噌汁に焼き魚に納豆。
これぞ日本人の朝食!というメニューがテーブルに並んでいる。
朝のニュース番組を見ながら朝食を頂く。
朝ごはんを食べるスピードは速く、5分ほどでたいらげる。
学校指定の制服に着替え、カバンの中に物を詰め込む。
財布、携帯ゲーム機、筆箱、お弁当‥‥
そして、7時50分。
いつも通りの時間に家を出る。
「行ってきます。」
『ガチャ』
ドアを開けると、全く同じタイミングで隣の家から人が出てきた。
同い年の、同じ学校の、幼馴染。
「あ、おはよ。」
これが、佐々木歩(ささき あゆむ)の
毎朝だ。
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