君の書いたファンタジー小説の世界へトリップする事になった
璃羽
始まりはハッピーエンドから
今まで生きてきた中で、俺達が一緒に過ごした時間は……一体、どれくらいになるだろう。
思い出せる限りの一番古い記憶にさえ、君がいる。近所の公園で、お互い泥塗れになるまで遊び転げた。遠い遠い、でも大切な思い出だ。……ただ、あの時口に入った砂利の不味さと気持ち悪い食感だけは、早々に忘れたいのに妙に覚えちゃってて困る。
まぁ、それは置いておいて。
そんな昔から、お互い十七歳になるまで、文字通り一緒に育って。泣き顔、怒った顔、笑った顔――沢山の表情を見てきた。
けれどこの時以上に幸せそうな君の姿は、見た事なかった。そりゃ、ちょっとくらい贔屓目というか、願望も入ってるけれども。
兎に角、最高の笑顔だったんだよ、不覚にもドキッとするくらいにさ! 言っとくけどいつもより可愛く見えたのは、綺麗な夕陽の所為じゃないからな。
多分、その……君から見た俺もそうだったと思う。お互い様だから安心しても良いよね。
「あのね、綴君」
だから俺はどんなに時間が過ぎても、君の表情と言葉は忘れないと思う。
「大好き」
そう――どんなに君が変わってしまったとしても、俺は絶対に忘れない。
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