鼓膜の左 瞼の右




暗闇がケタケタ

雨で濡れた

コンクリートだけ

夢を見させて

蝋燭が笑うの 頭も笑うの

波打った皺に唾液が溜まる


何処か遠くに 夜汽車に乗って

事故とかになってしまうの

何処か遠くに 夜汽車に乗って

私はずっと 帰ってこないの


汚れたシーツの上

嫌に濡れた

醜いような身体が

軋みをあげる

舌が泣くの 膜が泣くの

波打った皺に血液が溜まる


何処か遠くに 夜汽車に乗って

宙に浮いていっちゃうの

何処か遠くに 夜汽車に乗って

這いずる気力もないの


膜が剥がれて何処にもないの

コンクリートは乾いてしまった


もう一度遠く 夜汽車に乗って

脱線して谷に落ちてけば

もう一度遠く 夜汽車に乗って

何度でも 繰り返してくの

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