第4話説明は簡単がいい


「ってことなんだけど………マキオ、どう?わかる?」


とんでもない話だった。


バニラは、軽食のサンドイッチを用意してくれて、

食べながらこの「シュラ」の話を聞かせてもらっていたが、

二口目から、ノドを通らない。

話の内容の処理に、理解と感情がついていかなかった。


目が点になっていると、マキオの後ろに、

なぜかマンガのように、顔を腫らしたカイトが戻って来ていた。


「バニラ、あんま細かく説明しすぎると、混乱しちゃうだろ?

 ダークネスな話なんだから。

 こういうのは簡単に説明した方がいいんだよ」


カイトはマキオの隣に座り、マキオのサンドイッチを食べながら、

説明しだした。


「俺たちの周りは、敵だらけ。


 敵の種類は


 犯罪者 (賞金首ポイントがもらえる & なわばり争い)

 傭兵 (日本の被害者などが、復讐のため雇っている)

 キラーマシン (ネットで遠隔操作されている)

 生物兵器 (戦争兵器の実験台) 


 こいつらが、俺たちの命を狙ってる。

 理由は、俺たちが犯罪者だから。

 殺した方がいいってわけ。


 んで、どうせ殺すなら、利用しようってことで、


 犯罪者同士、殺し合いをさせたり

 傭兵に追わせたり、

 ロボットを使ったゲームに、生きた敵として登場させたり、

 実験台に使ったり。


 しかも、その様子を「デス・ゲームショー」として、全世界に配信。

 小さな高性能虫型カメラを、何億匹も使ってね。


 だから、俺たちは殺されないために、仲間を作って生き抜くぜっ、て話だ。


 簡単だろ?」


「えっと……簡単にはなったけど…………マジで?」


「マジで」


マキオはやっぱり、何を考えたらいいのか、わからなくなった。

カイトが説明を終えると、マキオのサンドイッチは無くなっていた。


「説明おわり!もう夕方だ、

 そんな話より、今夜はパーティーだぜ?

 さぁ、辛気臭い顔してないで、シャワーでも浴びてさっぱりしてこよーぜ!

 いくぞ!

 じゃーなバニラ、後でな!」


カイトは肩を組んで、無理やり連れて行く。

マキオは引っ張られながら、


「あっ…バニラ、ありがとう」


バニラは、机の上を片付けながら、何も言わず無表情なまま、軽く手を上げてくれた。

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