第14話落し物
「明日暇してる?」
美奈子からメッセージが届いた。
「明日は大丈夫だよ。」
「急遽明日お昼からお休みになったからもし良かったら会わない?」
願ってもない吉報だった。
「俺は特に予定がないから大丈夫だよ。」
「わかった。これからまだ仕事残ってるからまた連絡するね。」
明日会えるならどこへ行こうか。この間は動物園へ行ったし、ドライブでもいいかな。せっかく会えるんだから車の洗車でもしとこうか。
俺は車に乗ってガソリンスタンドにある洗車場にいった。夏場なら自分で手洗いするのだが、寒い時期はやはり機械で洗いたい。
平日なだけあって洗車待ちはしなくてもよさそうだ。俺は料金を入れてドライブスルー洗車に入っていった。上から洗浄液が出てきてモコモコしている。こうやって車を洗車するとすがすがしい気持ちになる。
俺は洗車が終わり、車を出した。外に車を止めタオルで車全体を拭きあげる。ついでに中も拭こうと思い後部座席のドアを開いた瞬間何かが落ちた。
なんだろうと思って拾い上げると見たこともない鍵だった。可愛いキャラクターのキーホルダーが付いていたから恐らく女の子のものだと思う。家の鍵っぽいけど一体誰の落し物だろうか。それ以前になぜ自分の車からこんなものが出てくるのだろうか。
俺には全く見当もつかなかった。そもそも女の子だって最近車に乗せるようなこともないし、ましてや落し物に気付いていたら連絡くらいくるはずだ。とりあえず俺はそのカギを預かっておくことにした。
俺の車から出てきたのだらから間違いなく俺の知り合いであることは確かなのだから思い当たるやつに後で電話でもかけてみよう。
とりあえず俺は車の中を掃除して家に戻った。
俺は知っている女の子のほとんどに連絡してみたが鍵の落とし主は見つからなかった。もしかして男なのか?そう思って見当のつくやつに連絡しても誰にもそのカギが誰のものなのかが分からなかった。警察に届けるといってもいつのかもわからないし、なにせめんどくさい。俺は部屋の一角にある色々なカギをかけているコルクボードのところに一緒にかけておくことにした。
そのうちこの鍵主が見つかるまで
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます