第12話 ネット依存の、何がイケナイのか。

ネット依存の友達が、ネットを絶った。


アカウントを消し、パスワードを自分でわからないようにして、物理的に、ネットができないようにした。


そして、死にそうになった。


一気に鬱状態になって、こんなに苦しそうにして、死にたいなんて言うくらいなら、ネット依存のままでよかったんじゃないかと思った。


本当に、自殺してしまったらどうしようとハラハラして、寝不足になりながら明け方まで話を聞いて、朝も何とか大丈夫だよ、となだめて。

もうなんだっていいから、笑っていてほしい。生きていてほしいと思った。


でも、やっぱりネットしたら、と言うのははばかられて。

それがないと、夜も眠れず、ご飯も食べられなくなる生活は、歪で、バランスがおかしいように感じるのです。うまく、表現出来ないけど。


そして今日、友達は、妙にスッキリした声で、新しいことをはじめるんだと、電話で話してくれました。


詳細は言えないけど、外で、人と交流する類の企画を友人と立てているらしい。


結局、ネット依存については私の中で答えは出ていません。


いずれにしても、君のはずんだ声を聞けて、心底ほっとしました。


どうか、うまくいきますように。

信心深くはないけれど、近くの神社に御賽銭でも投げに行こうかな。

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