スタバ系女子大生のESを添削してみた before2

次に、中盤を見ていきたいと思います。


1年生の時は慣れないことが多く、失敗が絶えず落ち込むばかりでした。また、その失敗を克服しようとさえしませんでした。しかし途中で、それでは何も成長しないことに気が付くことができました。そこからは失敗に向き合い、自分に何が足りなかったのか、どうすれば同じ失敗を繰り返さないのかを考え、実行に移すということを繰り返し、仕事を着実にこなすことが出来るようになりました。その経験により、ものごとには常に前向きに取り組み、例え失敗をしても克服することの大切さを学びました。



まず引っかかるのは、

「具体的な内容がないこと」です。


例えば、「失敗」。

この文章のなかに「失敗」という言葉が5回出てきます。


しかし、どのような失敗をしたのかについては書かれていません。


ということは、読み手には

書き手が具体的にどんな失敗経験をしてきたのか

伝わっていないということです。


なぜ伝わっていないと言い切れるのか?


ただ「失敗」とだけ書かれても、

どんな失敗なのかって、察する以外分からないですよね。


ただ、今回は、この文章の構造から、伝わっていない理由を考えたいと思います。



①一年生の時は失敗が多かった。

②落ち込むけれど、克服しようとしなかった。

③何も成長できないと気づいた。

④失敗に向き合うようになった。

(自分に足りないことを考え、繰り返さないように考え、実行に移した)

⑤着実に仕事ができるようになった。

⑥ものごとを常に前向きに取り組むことができるようになった。(!?)

失敗しても克服する大切さを学んだ。(!?)


というような構成になっています。


⑥に注目してください。

文章の構成から見てみると、⑤と⑥に飛躍があります。


前向きに取り組むという内容は前文にありません。

克服したかどうかも明確ではありません。


ここに読み手と書き手の意識の違いがはっきり出ていると考えられます。


つまり、

具体的な失敗の内容が、書き手の中で「自己完結」していると考えられるため、

読み手に具体的な失敗の内容が伝わっていないと言い切れます。


⑤と⑥の間に

〇〇という経験を通して、失敗を克服する大切さを学び

失敗しても前向きに取り組む姿勢を~

みたいな一文があると、読み手は分かりやすいのではと思います。



おそらく、書き手の脳みそには数多くの失敗経験があるのでしょう。

しかし、読み手は、書き手の脳みその中身まで察することができません。


だからこそ、まず

①で具体的な失敗の内容に触れたほうが、

読み手にとって親切な文章になると私は考えます。


afterでは、その失敗経験がどのように書かれているのかについて

注目して読んでもらうとよいかもしれません。




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