マヨラー

―――食堂にて。


「あ、オマエほうれん草のお浸しにマヨーネーズかけんのかよ。マジでありえねーわ。絶交レベルだわ」


「いいじゃん。好きなんだから、マヨーネーズ」


「好き嫌いの問題じゃねえんだよ。人間の味覚としておかしいってそれ。マヨネーズってなんか依存物質入ってんじゃねえか」


「そこまで言うかよ」


「ああ、この際言わせてもらうね。マヨラーは頭おかしい。オマエ卵にもマヨーネーズかけて食ってたけど、あんなん狂気の沙汰だぜ。原材料なにか知ってんのかって話よ」


「なんなんだ」


「マジかよ。無知って罪だな。卵だよ卵。

卵に卵かけて食べて美味しい美味しいって言ってるんだよ、オマエは。ダチとして恥ずかしいぜ」


「そうだったのか」


「いいか、まともな舌に戻したかったらオレを見習え。やっぱ日本人は和食に限るよ。

冷奴に醤油をかけてと。うん、いくらでもいけるぜ。それにこの味噌汁。やっぱり具は油揚げで決まりだな。おばちゃんお代わり」

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