好きと言わせたい
好きです。
その一言が聞きたいのだ。
あの子から。
気持ちが籠ってなくてもいい。
ただその言葉だけで、僕はこのうだるような毎日を生きていけるだろう。
ある日。
「この漢字なんて読むかわかる?」
「えーと、くわ?」
うーん。残念。
だが、まだまだ諦めてなるものか。
次の日。
「クイズ!牛丼屋さんの名前を3つ挙げよ!」
「えーとね。吉野家、松屋。あとは・・。
神戸らんぷ亭!」
詳しすぎる。
君は仕事疲れたおっさんか。
関西風の告白を期待していた僕はほぞを噛んだ。
次の日。
もうアイデアが思い付かない。
机に座ってうんうんうなっていると、あの子が話しかけてきた。
「どうしたの?汗びっしょりだよ?」
「ちょっと宿題で分からないところがあるんだ。」
人の気もしらないで。
「じゃあ気分転換に問題出してあげる!こんな暑い日に食べたくなるものと言えば?」
「アイス?」
「ふふっ。私の勝ち!」
彼女はちょうどアイスを頬張っているかのような涼しい笑顔をしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます