第22話
1
【QUEENについて知っていることを言え】
宗介はこの日もQUEENについて”999(スリーナイン)”の残党を捕まえていた。
『知らねえよ・・本当に・・』
宗介は掴んでいた残党の胸ぐらを緩めた。
残党は一目散に逃げていった。
宗介は力なくその場に佇んでいた・・・・その時、背中越しから声が聞こえた。
『探したわよ』
宗介が振り返ると、そこには滝沢瑞穂が立っていた。
【あの時の検事さんか】
『あなたに会わせたい人がいるの』
*
その後、瑞穂とナイトイーグルは人気のいない場所に移していた。
滝沢瑞穂は昼に出会った一人の若い男を前に出した。
【誰だ?】
『あの日、JACKを撃ったって言ってるわ』
【何?】
『オレは・・あの日・・・JACKを撃った・・そしてあんたも狙ってた・・』
【どういうことだ】
『JACKの遺体には頭の傷口に火傷の痕が微小だけど確認できたわ、これは銃で打たれたものよ 少なくとも弓矢の矢ではないわ』
『記憶が余りないんだ・・・変な男が陸奥警察署に来てから・・』若い男はつぶやく。
【変な男・・】
『なんか・・黒いスーツを着た目が釣り上がった男だったような・・・』
【QUEENだ】
『QUEEN?』瑞穂が問いかける。
『そいつに何かされたような気がしたけど・・余り覚えていない・・』
『一種の暗示効果ね』滝沢瑞穂が割って入った。
【暗示効果・・・】
『そのQUEENっていうのがどんな人物かはまだわからないけど、話を聞いた限りだとその可能性が高いわ・・・けどそこまでの効果が果たしてあるのかしら』
【奴はこの前、オレの前に現れた・・その時も多くの警官を従えていた、その暗示能力の影響かもしれない・・】
『彼は?どうするの?』
【警官が暗示に掛かっているのであれば、警察は逆に危険だ】
宗介は滝沢瑞穂の方へと振り向いた。
【信用できる人間はいるか?】
瑞穂は少し考えた結果、うなずいた。『いるわ、一人だけ』
【だったらその人物に彼を匿ってもらえ、オレはQUEENを追う】
2
マンションの一室の呼び鈴が鳴る。
野上優作は玄関の覗き穴を覗いた。
(瑞穂?)
野上はゆっくりドアを開ける。
『優作、頼みがあるの』
『嫌な予感しかしないけど・・』
滝沢瑞穂は隣にいた若い男を差し出した。
『だ・・誰だよ・・』
『あなたと同職の警官よ』
『陸奥警察署の佐伯と申します』若い男は佐伯(さえき)と名乗り、野上優作に敬礼をした。
『県警のあんたは知らないかもしれないけど、陸奥警察署の警官よ 例の陸奥港の事件の重要人物なの』
『どういうことだよ』
『”JACK”殺しは仕組まれてたのよ』
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